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竹林軒出張所

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松嶋屋からの教訓

b0189364_10343241.jpg 一昨日紹介した本で、15代目片岡仁左衛門(松嶋屋)が、舞台をいくら務めても「今日は良くできたな」と満足することがないと(いうようなことを)言っていた。片岡仁左衛門といえば、「同時代に生きてて良かった」と思わせるほどの名人と僕は思っているのだが、その名人にしてこれである(僕はかつて、この人の舞台を生で見ていて「同時代に生きてて良かった」と本当に思った。先述の本で著者が同じようなことをあとがきに書いていてヘーッと思ったものだ)。
 人間国宝クラスの職人(いわゆる匠ですな)も、やはり同じようなことを言う。いくら作ってもアラが見えて満足するものができない、と。それも口を揃えて。はたから見ていると、こんなにすごいものなのに?と思うにもかかわらず。
 かれらに共通して言えるのは、求めている理想が高いということだ。あまりに理想が高いため、どれだけのものを作り出したとしても満足できないのだろう。
 一方で、平気で大風呂敷を広げたり、大口を叩いたりする人もいる。こちらは大変見苦しい。自分と周囲に対する認識が正しくできていないことを広報しているようなものだ。
 などと言いながら、僕自身、自分の絵に結構満足していたりするのだから、始末に負えない。理想を高く持ち、その理想に対して謙虚に邁進していきたいものだ。自戒です……。
by chikurinken | 2009-07-03 10:39 | 日常雑記

ああ、きな臭い、きな臭い

(写真と本文は関係ありません。)
b0189364_9484364.jpg 今朝の新聞で、聞いたことのない名前の政党が一面広告をうっていた。
 K福を実現させるとうたっている。何でも、消費税をゼロにして、北朝鮮のミサイルをやめさせるんだと。こうなると何でも言ったモン勝ちという感じだが、しかしよくこんな金があるよなと思う(一面記事)。さすがにK福を科学しているだけのことはある。
 でも、消費税をゼロにして北朝鮮のミサイルをやめさせるって、そりゃ言うのは簡単だがね、まったく荒唐無稽だ。具体策を示さなきゃマニフェストにならないんじゃないかと思っていたら(ホントは「アホか」と思っていたんだが)、Wikipediaでもう少し具体的な方策が紹介されていた。なんという早さ! Wikipediaすごい。
 消費税の方は、「消費拡大による法人税や所得税の増収でカバー(25%増でほぼ均衡)し、経済成長4%が続けば、4年で税収を補うことができる」ということらしい。夢物語だよ→経済成長4%!
 北朝鮮のミサイルの方は、ミサイル基地に先制攻撃できるようにするらしい。真珠湾攻撃ですな、こりゃ。第一次極東戦争が起こらなきゃ良いけどね。
 他にもいろいろ政策が紹介されているが、ブレーンに生意気な中学生がいるんじゃないかと思わせるような内容。この楽観性と独善性は(新興)宗教者独特のものなんだろうか。いくら宗教団体が景気が良いっていってもね……。

 僭越ながら、マニフェスト変更の提言。
 大減税による消費景気で、日本を元気にします → 全国民の入信で、日本を元気にします
 北朝鮮のミサイルから、国民の安全を守ります → ジョン様を入信させ、日本を攻撃させないようにします

 いま、必要なのは実現可能なビジョンです。
by chikurinken | 2009-07-02 09:53 | 日常雑記

雨音はショスタコーヴィッチの調べ

 午後、図書館の帰りに、行きつけの喫茶店で読書していた。この喫茶店は、薄暗く客も少ない、もとい非常に落ち着く環境なので読書にうってつけなのである。
 夕刻も近くなって、この店の常連の芸術家、Y野氏がウッヒッヒと笑いながら入ってきて、僕に向かって「自転車?」と訊くのである。「雨降ってます?」と訊くと、「降ってるなんてもんじゃないよ」と言いながら、うれしそうに笑っている。外を見ると土砂降りである。なんでもご自身はクルマで来たらしい。このお方は人のプチ不幸がお好きなようだ。「もうすぐやむはずなんですがねえ」と言うと、ヘッというような顔をして「なんで?」と訊く。
「出がけに気象庁のレーダーで確認したんです。それによると、大きな雲の塊が2つあって、今の土砂降りが1つ目の塊で、その後1時間くらいで雨がやむ予定なんですよ」というようなことを言うと、ヘーッと言って、「N岡さんにはかなわないな……」と残念そうに呟いた。
 自転車でうろうろしていて大雨にあうと、これはもうホントにどうしようもなくなる。ただ雨が通り過ぎるのをひたすら待つか、惨めな思いで雨ざらしになるしかない。誇張ではなく自然の前で人間がいかに無力か実感させられる。だから、予測できる範囲で、あらかじめ今後の展開を予測した上で行動しなければならないのだ。
 とはいえ、レーダーで見る雲の動きといっても、随時その動きを追っていればともかく、数時間前に確認したものなんかあまりあてにならない。というわけで、僕の自信とは裏腹に一向に雨はやむ様子がなく、待ってても仕方ないんで小降りになった(と思えた)頃に店を後にした。
b0189364_18351062.jpg 帰り道、傘をさして徐行運転していたが、降りがやむどころかますますはげしくなり、結局下半身ずぶ濡れになった。自転車に乗っていたにもかかわらず靴の中まで濡れた。これほど濡れることも珍しい。シャツの第2ボタンくらいの位置に取り付けていたiPod Shuffleも少し濡れていた。この位置に付けていて濡れることはめったにないのに……。要するに、それほどの土砂降りだったわけだ。家に着く頃、iPodからは「雨音はショパンの調べ」が流れていた。「ショパンの調べ」よりも「雨に唄えば」の方が近い感じだ。
 家に帰ってからもう一度レーダーで確認すると、昼頃見た雲の2つの塊などはとうになくなっており、巨大な一面濃紺、ところどころ緑、ところにより黄色または赤というとんでもない状況になっていた。テクノロジーを過信するとこういうことになるという話だ。人は自然の前では無力なんである。
by chikurinken | 2009-06-30 18:37 | 日常雑記

アーリング・ヴァルティルソン メゾチント銅版画展

 岡山のギャラリーグロスで、今日から「アーリング・ヴァルティルソン メゾチント銅版画展」が始まった。
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 早速見学に行った。そうそう、知らない人のために説明しておくと、メゾチントというのは、銅版画の1技法で、通常の銅版画が白地に黒の絵ができるのに対し、メゾチントでは黒地に白の絵ができる。あらかじめ、真っ黒になるように処理しておいた銅板を、少しずつ削りながら白い部分を広げていくという技法である。
 このアーリング・ヴァルティルソンというお方は、現時点で当代最高のメゾチント作家なのではないかと僕などは思っている(単に他の作家を知らないだけかも知れない)。僕もこのヴァルティルソンの「ねぎ」という作品を知って、自分でもメゾチントをやってみたほどだ。彼の作品を見ると、メゾチント表現の可能性をうかがうことができる。
 今回の展覧会は、グロスでは2004年以来5年ぶりの開催で、90年代の終わりから最新作までの15点が展示されている。例の「ねぎ」も展示されていた。前の展覧会のときも見ているはずなのだが、当時は銅版画にまったく興味がなかったため、全然印象に残っていない。銅版画に興味がない普通の人にとっては(かつての僕も含めて)大したインパクトを感じないのかも知れない。ただ(銅版画から離れて)静物画として見てもなかなか存在感がある作品が多く、一見の価値はあるのではないかと思う。
 今回の展示を見るに当たり、上の「ぶどうのある配置」にも下の「ねぎ」にも見られる細かい白の表現に関心があったのだが、何となく白の絵の具で着彩しているような印象を受けた。グロスのマスターによると、プレス(印画)する前に爪楊枝を使って黒インクを取り除いているのではないかという話で、なるほどそういう技法があるのかと納得した。ただ、作品によっては絵の具を塗っているのではないかと感じられるものもあり、真相はよくわからない。ともかく、いずれこの爪楊枝技法を試してみたいと思う。

「アーリング・ヴァルティルソン メゾチント銅版画展」
ギャラリーグロス(岡山市北区富田町)
2009年6月26日〜7月11日

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前回(2004年)の展覧会のハガキ:「ねぎ」↑
by chikurinken | 2009-06-26 18:59 | 美術

矢野氏のガラス

 ギャラリーに行って美術作品を鑑賞するなどということはほとんどない。ましてや買おうという気になることは皆無である。そのため、ギャラリーに行くというということ自体、僕にとって相当な勇気がいる作業なのである。高価なものを売りつけられたりしないか、そこまではないとしても「素敵でしょう?」などと話しかけられたりしたらイヤだなと考えてしまう。
 顔見知りの矢野太昭氏が、倉敷の「工房Ikuko」というところで新作展をやるという。僕にとってかなり敷居が高そうなギャラリーで、どうしたものか考えたが、倉敷に行く用事があることだし、もらったハガキに載っていた作品写真に興味が湧いていたこともあり、思い切って突入することにした。ただし体当たりして作品を壊さないように配慮するのはむろんである。今回の作品は、壊れやすそうなものが特に多いし。

「矢野太昭新作展」
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 矢野太昭氏は、僕の行きつけの喫茶店のカウンターでよく見かけるお方で、いつもマスターとビンボー話をひょうひょうと繰り広げているイメージがある。
 氏のガラス作品を見るのは今回初めてであったが、正直、驚愕をおぼえずにいられなかった。「あの人がこれを!」(失礼)ってなもんである。細かく繊細であり、なおかつ大胆、作品からエネルギーがあふれ出ている。件のマスター氏がかつて、「ガラスでは日本のトップクラス」と僕に語ってくれたとき、内心「ほんまかいな」と思っていたが、実際に目にしてそれを実感した。
 「工房Ikuko」の店員さんも親切で、話しかけられたりすることもなく、ゆっくり鑑賞することができた。ちなみに昨日が最終日で、作品もかなり売れていたようだ。
by chikurinken | 2009-06-15 10:52 | 美術

ごあいさつ

 縁あって、今日からブログを始めることになりました。
 とはいうものの、大きな声でいろいろなことを主張するのも最近疲れてきております。以前やっていたホームページも現在休止中なわけです。
宇宙の片隅でそっと生きていこうと思っていたところで、いろいろ書くのもアレだなという具合です。
 そういうわけですので、読んだ本や見た映画の感想など、いろいろな備忘録として使っていこうかなと思っております。
 基本的には自分用ですので、縁あってここにたどり着いた方も、その辺をご了承いただけるとありがたいかなと思います。
by chikurinken | 2009-06-01 09:31 | 日常雑記