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竹林軒出張所

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『総天然色ウルトラQ』(15) 他(ドラマ)

総天然色ウルトラQ 15、16、17、26、28
(1966年・2012年・TBS)
演出:中川晴之助、野長瀬三摩地、円谷一、満田かずほ
脚本:山田正弘、金城哲夫、千束北男、小山内美江子
出演:佐原健二、桜井浩子、西條康彦、江川宇礼雄、渡辺文雄、浜田寅彦、野村昭子、二瓶正也

着色技術に驚嘆

b0189364_18171666.jpg 以前この項で書いたカラー版『ウルトラQ』を見てみた(竹林軒出張所『色づくQ』を参照)。前に書いたのが2011年10月だからあれから7年近く経つんだが、こういう事実があったことを先日ふとしたきっかけで思い出して、ついにその現物を見てみたというわけ。
 今回見たのは、DVD2枚分で、第15話「カネゴンの繭」、第16話「ガラモンの逆襲」、第17話「1/8計画」、第26話「燃えろ栄光」、第28話「あけてくれ!」の5本。それぞれの作品はかつて見たことがあるものばかりだと思う(記憶が定かでないものもある)が、ストーリーやドラマの作りは(今見ると)結構デタラメなものもある。
 「カネゴンの繭」はかなり有名な回でこれまで数回見た記憶があるが、単純なプロットのドラマで、ストーリーもかなり行き当たりばったり、間も悪いと問題点は多い。それでも着想と(カネゴンという)キャラクターが秀逸であるため、『ウルトラQ』の代表作になっているという、そういう作品である。『ウルトラQ』シリーズの中でもキャストが豪華な方で、渡辺文雄、浜田寅彦、野村昭子、二瓶正也らが出演している。このシリーズにいつも登場する淳ちゃんや一平君、由利ちゃんは出てこず、完全に独立した作品になっている。
 「ガラモンの逆襲」は取るに足りないいい加減なストーリーの話、「1/8計画」は夢オチでどちらも冴えない。ただ「燃えろ栄光」は、リアリティはあまりないが、少し考えさせるような奥行きがある。それは「あけてくれ!」も同じで、こちらについてはシナリオがよくできていると感じる。おそらく『ウルトラQ』随一ではないかと思う。ちなみにシナリオ担当はあの小山内美江子である。なお「あけてくれ!」は本放送の時に放送されなかったといういわく付きの回で、確かに怪獣は出てこず子どもにはわかりにくいかも知れないが、ショートショートみたいなオチがあって非常にうまくまとまっている。
 さて、今回カラー版を見たのであるから、一番問題にすべきはカラー化のグレードということになる。で、カラー化はどうかというと、これが非常によくできていて、かなり自然であったのだった。少なくとも意識しなければ、これが人工的なカラー化ということにも気付かないんじゃないかというようなデキで、カラー化としては十分成功の部類ではないかと思う。これに伴って『ウルトラQ』の価値も一層上がることは間違いない。それでもモノクロでなければ気分が出ないなどという頑固な人は、モノクロ版を見ればよろしい。幸いモノクロ版もDVDが出ているようだ。だがこのカラー版『ウルトラQ』は、かつて『ウルトラQ』を見ていた世代にも勧めたい逸品であるのは間違いない。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『色づくQ』
竹林軒出張所『デジタル・リマスターでよみがえる名作(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『カラーでよみがえる第一次世界大戦(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2018-03-28 07:16 | ドラマ

『アンナチュラル』(10)、(11)(ドラマ)

アンナチュラル エピソード10、11(2018年・TBS)
演出:竹村謙太郎、塚原あゆ子
脚本:野木亜紀子
出演:石原さとみ、松重豊、窪田正孝、井浦新、市川実日子、伊武雅刀、薬師丸ひろ子、国広富之

期待しただけにガッカリ
展開までもアンナチュラル


b0189364_17164320.jpg 少し期待を持って見ていた『アンナチュラル』、エピソード10とエピソード11で完結した。
 エピソード8までは見ていないため細かいところはわからないが、毎回ほぼ完結する小さいエピソードが取り上げられながら、最終的に大きいエピソードに合流するという形式だったのではないかと思う。そしてその大きいエピソードが10、11で完結するという按配になっている。ただし、猟奇的犯人の大量殺人という結果に落とし込んで、悪い奴を1人設定して、それですべてを終わらせるというのはあまりに安直。また、井浦新演じるやや暴力的なチーム・メンバーが、秘密を握る記者に襲いかかり、テトロドトキシンを無理やり注射するとかいう展開もデタラメも良いところで、見ていてバカバカしくなる。きわめて不自然展開と言わざるを得ない。タイトルが「アンナチュラル」だからと言って、展開までアンナチュラルにしなくてもよかろうに。
 また最後の公判でのミコト(石原さとみ)の証言も浅はかである。こういうあたりで良しとする製作者には疑問を感じる。レベルの低さすら感じてしまう。
 また、ドラマの中で使われるいろいろなエピソードがどうにもありきたりで、こちらもマイナス要因である。結局は(案の定)石原さとみの魅力だけが唯一の見所という寂しいドラマになってしまった。期待が大きかっただけに失望感も大きい。
★★★

参考:
竹林軒出張所『アンナチュラル (9)(ドラマ)』
竹林軒出張所『ジェネラル・ルージュの凱旋 (1)〜(12)(ドラマ)』

by chikurinken | 2018-03-26 07:16 | ドラマ

『アンナチュラル』(9)(ドラマ)

アンナチュラル エピソード9(2018年・TBS)
演出:竹村謙太郎
脚本:野木亜紀子
出演:石原さとみ、松重豊、窪田正孝、井浦新、市川実日子、ミッキー・カーチス、伊武雅刀、薬師丸ひろ子

今後も期待を持てる昨今では珍しいドラマ

b0189364_20333358.jpg 今TBSで放送中の法医学ドラマ。ドラマで法医学の問題を扱うというのもなかなか意欲的で結構。ただし法医学の問題については、10年ばかし前にフジテレビで『チーム・バチスタ』シリーズを割と長くやっていて、原作者の海堂尊の主張(日本で病理解剖があまり行われないことから、犯罪性があっても自然死として扱われてしまうことが多い、そのためもっと積極的に病理解剖を行うべき!というもの)もそのときドラマを通じて結構全国に(僕を含めて)知れ渡ったわけで、そのことを勘案すると新鮮さは中ぐらいである。ただTBSは現在、日本の検挙後有罪率が異常に高いことをテーマにしたドラマ『99.9』まで放送しており、意欲的であることには変わりない。内容についてはとりあえず置いとくが。
 で、この『アンナチュラル』だが、こちらは内容についても割合よくできていると感じた。特に前半、割合退屈しそうな箇所でカットを短くつないでリズム感を出すなど、製作側に工夫が見られる。そのため見ていて非常に小気味良く感じた。演出も全体的に手堅く、シナリオもよくできている。原作ものかと思ったがオリジナル脚本のようで、その点も評価できると思う。ただし、しようがないと言えばしようがないんだが、登場人物がどれもこれも作り物的で浅いという印象は否めない(今のドラマにそこまで期待するのは無理なのだろうか)。
 そうは言っても全体的によくできたドラマであることは確かで、主演の石原さとみも魅力的。窪田正孝が演じている役も(性格付けがありきたりではあるが)味のある登場人物ではある。今後も見続けるかどうかはわからないが、期待を持てる昨今では珍しいドラマである(とは言ってもすでに半分以上終わっているようだが)。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『アンナチュラル (10)、(11)(ドラマ)』
竹林軒出張所『ジェネラル・ルージュの凱旋 (1)〜(12)(ドラマ)』
竹林軒出張所『ジェネラル・ルージュの凱旋(ドラマ) まだ途中だが』
竹林軒出張所『ナイチンゲールの沈黙(ドラマ)』
竹林軒出張所『アリアドネの弾丸 (1)〜(11)(ドラマ)』

by chikurinken | 2018-03-11 20:33 | ドラマ

『寺内貫太郎一家』(22)(ドラマ)

寺内貫太郎一家 第22話(1974年・TBS)
演出:久世光彦
脚本:向田邦子
音楽:井上堯之、大野克夫
出演:小林亜星、悠木千帆、西城秀樹、浅田美代子、加藤治子、梶芽衣子、左とん平、由利徹、横尾忠則、篠ひろ子、藤竜也

絶好調時の向田邦子作品

b0189364_18173182.jpg 懐かしの『寺内貫太郎一家』が、BSトウェルビとかいうよくわからない放送局で再放送されていたので見てみた。僕が子どもの頃も毎週見ていたし、学校でもかなり話題になっていた作品で、悠木千帆(後の樹木希林)のばあちゃんが沢田研二のポスターに向かって「ジュリー!」と叫ぶ毎週恒例のシーンは、かなりブームになって、多くの子供達がマネしていた。
 昔は確かに面白いと思って見ていたが、今見るとまた違った感想が沸くのでは……と思って今回見てみたわけだが、正直言って、コントとバラエティとドラマを混ぜ合わせてごった煮にしたようなドラマで、何じゃこりゃと思いながら見ていたのだった。だがそのうち、当たり前のように思えることが幸せ、当たり前のように存在している人が実は大切だ……というようなメッセージが伝わってきて、演出はともかく、かなりよくできたシナリオであるように思えてきた。
 実際に久世光彦の演出については、アドリブがかなり混ぜられるようなものだったらしく、山田太一はそのせいで彼とぶつかったらしいが、向田邦子はその辺は特に気にしなかったと見える。実際、このドラマには随所にアドリブめいた箇所がある。そのためにコントやバラエティみたいな様相を呈してくる。それによって面白くなる場合もあるが(実際当時はそういう部分が受けていたわけだし)、完成度はそれに伴って下がることになる。とは言っても、今回見た第22話については、先ほども言ったようにシナリオが非常に優れていて、とりとめのないゴチャゴチャした展開が、最後に実にスッキリした形で収束することになっていた。お見事としか言いようがない。最後の方のシーンでマドンナの浅田美代子が屋根の上で「幸せの一番星」を歌うのも毎度の定番だったが、結果的に静かな収束を象徴するような演出になっており、良い効果が出ていると言える(ただしギターを弾くふりはみっともないと思う)。そういったあたりがこのドラマの魅力だったのだと今回あらためて思った。
 他にもタイトルデザインが横尾忠則だったり、しかも横尾忠則がチョイ役で出演していたりして、別の面白さもある。音楽の担当が、井上堯之、大野克夫、岸部修三(岸部一徳)というのも贅沢である、今思うと(要は井上堯之バンドのメンバーたちなんだが)。キャスト陣もかなり豪華で、当時人気が出たのも頷ける……そういう1本だった。とは言え、見るのはこの1本だけで良いかなとも思った。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『思い出トランプ(ドラマ)』
竹林軒出張所『花の名前 向田邦子漫画館(本)』
竹林軒出張所『胡桃の部屋 (1)〜(3)(ドラマ)』
竹林軒出張所『阿修羅のごとく(映画)』
竹林軒出張所『ちょっと愛して…(ドラマ)』

by chikurinken | 2018-03-09 07:17 | ドラマ

『風雲児たち 蘭学革命篇』(ドラマ)

風雲児たち 蘭学革命(れぼりゅうし)篇(2017年・NHK)
演出:吉川邦夫
原作:みなもと太郎
脚本:三谷幸喜
音楽:荻野清子
出演:片岡愛之助、新納慎也、村上新悟、迫田孝也、岸井ゆきの、長野里美、山本耕史、草刈正雄

『解体新書』事始め

b0189364_18260557.jpg みなもと太郎のマンガ『風雲児たち〜蘭学革命篇〜』が原作のドラマ。
 みなもと太郎の原作自体が、おそらく杉田玄白の『蘭学事始』を下敷きにしていると考えられ、そのためか同じようなストーリーが他の小説でも取り上げられていて、ストーリー自体はそれほど奇抜なものではない。にしても『解体新書』が作られるまでの話は非常に面白い題材で、前野良沢と杉田玄白との関わり合いなどはまことに話になる素材である。みなもと太郎はギャグマンガの人で、マンガのタッチもそういうものであるが、このドラマについてはギャグマンガみたいな騒々しさはなく、割合普通のドラマになっている。脚本は三谷幸喜だが、オーソドックスな作りで、三谷節みたいなものも出てこない。したがって題材自体をじっくり楽しめるようになっている。このあたりはポイントが高い。
b0189364_18261079.jpg ただし、途中、杉田玄白がヤクザ野郎たちに襲われ、どこからともなく現れた林子平(『海国兵談』の著者)がそれを助けるみたいなシーンがあったが、話の流れにまったく関係なく、言ってみれば無意味なシーンであり、なぜこのようなシーンを入れたのか見当が付かない。また、工藤平助(『赤蝦夷風説考』の著者)が主人公たちに絡んでくるのもまったく必然性がなく、高山彦九郎(寛政の三奇人の一人)についても同様。ただし高山彦九郎の存在はドラマと直接関わりがなかったため、遊びのシーンになっていて、アクセントとしてそれなりに良い味があった。また平賀源内(山本耕史)と田沼意次(草刈正雄)の存在はなかなか異色で、従来の歴史観とは若干違うが面白い扱いになっている。草刈正雄は、少し前に放送された『幕末グルメ ブシメシ!』と同じような役回りで、その辺を意識したキャスティングだったのかも知れない。
 ドラマは割合平凡であったが、ストーリー自体が非常に興味深い内容で、前野良沢の偉業がよくわかる上、江戸の蘭学事情についても知ることができる。『蘭学事始』を読んでみたくなった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『蘭学事始(本)』
竹林軒出張所『幕末グルメ ブシメシ!(1)〜(6)(ドラマ)』
竹林軒出張所『天地明察 (上)(下)(本)』

by chikurinken | 2018-01-30 07:25 | ドラマ

『龍の歯医者』(アニメ)

龍の歯医者 天狗虫編、天狗虫編(2017年・NHK)
監督:鶴巻和哉
原作:舞城王太郎
脚本:舞城王太郎、榎戸洋司
キャラクターデザイン・作画監督:井関修一
出演:清水富美加、岡本信彦、山寺宏一、林原めぐみ、松尾スズキ

壮大なスケールのおとぎ話

b0189364_17293569.jpg 設定も時代背景もすべて架空のファンタジー・アニメ。概ね第一次大戦から第二次大戦あたりの時代のイメージではある。
 ある国(帝国日本みたいなイメージ)に龍が最強兵器として存在し、その龍を維持するために「歯医者」と呼ばれる人々が必要だというのがこの物語の背景になる。龍は非常に強力な攻撃力を持ってはいるが、歯が弱点で、虫歯などが発生するとその力が大幅に損なわれるというのが「歯医者」の存在意義になっている。この歯医者として働く少女(野ノ子)と少年(ベル)が主人公で、龍に問題が発生し、彼らがそれに対処するために奔走するというのがストーリーの骨子。そこに戦争中の敵対国の特殊部隊(みたいな一団)や歯医者軍団内部のトラブルなどが絡んで、壮大なスケールのストーリーができあがっている。
 ストーリーは奇想天外で、時代のずらし方などもなかなか見事である。またグラフィックも非常に洗練されていて見所は多い。あちこちにジブリ映画の影響が見られ、これがスタジオジブリの作と言われてもまったく違和感がないほどである。
 非常に面白いストーリーで、スペクタクル感も溢れているが、エンタテイメントで終始している点が残念と言えば残念。ましかし、そういう意図で作られた作品なのであれば(おそらくそうだろう)、それ以上望む必要もあるまい。
第23回上海国際テレビ祭マグノリア賞 最優秀アニメーション賞受賞
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『風の谷のナウシカ (1)、(2)(本)』
竹林軒出張所『風の谷のナウシカ (3)〜(7)(本)』
竹林軒出張所『ゲド戦記(映画)』

by chikurinken | 2018-01-29 07:28 | ドラマ

『果し合い』(ドラマ)

果し合い(2015年・時代劇専門チャンネル、スカパー!、松竹)
監督:杉田成道
原作:藤沢周平
脚本:小林政広
音楽:加古隆
出演:仲代達矢、桜庭ななみ、徳永えり、進藤健太郎、柳下大、高橋龍輝、益岡徹、原田美枝子、小倉一郎

時代考証が行われていないせいか
ストーリー自体が嘘っぽい


b0189364_20221870.jpg 部屋住み(分家、独立できず親や兄の家に留まっている武士の子弟)の身分で、身内から邪魔者扱いされている庄司左之助(仲代達矢)が、甥の娘(桜庭ななみ)の危機に立ち上がるというドラマ。元々CS放送のために作られたものらしい。このくらいの規模のドラマを作る媒体が地上波テレビ以外にも出てきているのは喜ばしいことで、しかも海外でそれなりの評価を受けたというんだから、今後こういった製作パターンが増えるのではないかと期待できる。
 ただし内容は少々荒唐無稽で、時代考証をやっていないんじゃないかと感じてしまう。もっとも全盛時の地上波時代劇にしても時代考証は無茶苦茶だったんでこれで良いという見方もできるが、この作品については武家社会の矛盾みたいなものを描いているわけで、そのあたりがデタラメだともうストーリー自体が台無しになってしまう。
 いろいろな事物の扱いがことごとく現代的な発想なのが特に気になる。「駆け落ちするしかないだろう」などという庄司左之助のセリフが出てくるが、現代でも江戸でも(あるいはどんな社会でも)そんなことでは済まないだろと思ってしまうんだが如何。
 演出についても、『水戸黄門』風の「旅立つときに心から感謝してお辞儀する」という安直なシーンが出てきたりして、全体的にかなりありきたりである。また音楽も随所にグリーンスリーブスが使われていたりして、安直な感じが否めない。音楽から構成やストーリー、演出まで、何もかもが安直な感じが漂うんだが、それは「映画」でなく「ドラマ」であることを考えるとしようがないことなのか。もう少し力を入れて作っても良いんじゃないかと感じる。
 藤沢周平原作の多くの映画では、割合社会の背景がしっかり描かれていて、時代考証が気になるものが比較的少ないのだが、この映画に限ってはかなりデタラメさを感じた。製作段階で大幅に手が加えられたのか原作がそうだったのかわからないが、そういう点がかなり気になったので、ここで表明した。ただ先ほども言ったようにいろいろなところでドラマや映画が作られるのは歓迎である。今後もこういった方向で取り組んでいただけることを期待する。
New York Festivals World's Best TV & Films 2017 Drama Special部門金賞受賞
★★★

参考:
竹林軒出張所『武士の一分(映画)』
竹林軒出張所『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代(本)』
竹林軒出張所『釣忍(ドラマ)』
竹林軒出張所『樅ノ木は残った 乱心(ドラマ)』
竹林軒出張所『闇の歯車(ドラマ)』

by chikurinken | 2018-01-11 07:21 | ドラマ

『闇の歯車』(ドラマ)

闇の歯車(1984年・フジテレビ)
演出:井上昭
原作:藤沢周平
脚本:隆巴
出演:仲代達矢、役所広司、東野英治郎、神崎愛、中村明美、織本順吉、殿山泰司、小笠原良知、益岡徹

皮肉が散りばめられたストーリー
だが作為的に過ぎる


b0189364_17541890.jpg 藤沢周平の同名小説を劇化したドラマ。数年おきに素人を仲間にして押し込み強盗を働く絵師、伊兵衛が再び押し込みを働くべく動き出す。今回目をつけた素人衆はどれも金が必要な町人で、それぞれに事情を抱えている……というようなストーリー。オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』みたいに、皮肉が散りばめられていて興味深い話ではあるが、かなり荒唐無稽で作りすぎな感は否めない。作為的に過ぎるという印象。
 ドラマとしては可もなく不可もないというできあがりで、特に不満はない。同じ放送局で前年に放送された『樅ノ木は残った 乱心』に続いて仲代達矢と弟子、役所広司が共演している他、特別出演扱いの東野英治郎が『用心棒』(これも仲代と共演)と同じような居酒屋の大将を演じているあたりがキャスティングの見所か。
 今となっては古いドラマだが、テレビドラマとしてはかなりしっかり作られていて、昨今のドラマのお手軽さとは随分違う印象を受けた。全編フィルム撮影である。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『樅ノ木は残った 乱心(ドラマ)』
竹林軒出張所『釣忍(ドラマ)』
竹林軒出張所『果し合い(ドラマ)』
竹林軒出張所『用心棒(映画)』
竹林軒出張所『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代(本)』

by chikurinken | 2018-01-10 06:52 | ドラマ

『樅ノ木は残った 乱心』(ドラマ)

樅ノ木は残った 乱心(1983年・フジテレビ)
演出:井上昭
原作:山本周五郎
脚本:隆巴
出演:仲代達矢、役所広司、加藤武、鈴木瑞穂、内藤武敏、近藤洋介、小沢栄太郎、益岡徹、大橋吾郎、小林哲子、星野浩美、仙道敦子

山周の良い部分が出た

b0189364_15541804.jpg これも過去5回ドラマ化された山本周五郎作の時代劇。NHKの大河ドラマにもなったことがある。
 江戸時代初期の伊達騒動をモチーフにした話で、歌舞伎の『伽羅先代萩』なども伊達騒動がモチーフだが、原田甲斐が主人公でしかもお家を守るために身を投じるという日本人好みのストーリーが『樅ノ木は残った』の特徴である。原田甲斐がバカになって間諜をごまかしながらあれやこれやの策略を練るあたりは『赤穂浪士』の大石内蔵助を思わせ、こちらも日本人好みのモチーフと言える。
 ストーリーは非常に凝っていて、全編緊迫感が漂い、緊張感が最後まで持続する。大河ドラマでやるような素材を2時間弱のドラマにしているため、わかりにくさが随所に残っているし、登場人物の名前も完全に把握できないが、何とか識別できるレベルで最後まで見終わることができた。しかし、登場人物の名前はすべて初出時に字幕で紹介されるだけであるため、伊達騒動をまったく知らない人が見るとなると、それなりに困難が生じるかも知れない。
 キャストはなかなか豪華で、無名塾での仲代の弟子、役所広司が仲代と共演するなどの見所もある。小沢栄太郎が(どちらかと言うと)良い役だったり、仙道敦子がまだ娘っこだったりでなかなか新鮮である。また演出もオーソドックスで破綻はない。なかなかの佳作である。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『釣忍(ドラマ)』
竹林軒出張所『椿三十郎(映画)』
竹林軒出張所『赤ひげ (19)(ドラマ)』
竹林軒出張所『いのち・ぼうにふろう(映画)』
竹林軒出張所『闇の歯車(ドラマ)』
竹林軒出張所『果し合い(ドラマ)』
竹林軒出張所『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代(本)』

by chikurinken | 2018-01-09 06:54 | ドラマ

『釣忍』(ドラマ)

釣忍(1966年・フジテレビ)
演出:小川秀夫
原作:山本周五郎
脚本:隆巴
出演:仲代達矢、新珠三千代、久米明、萬代峰子

山周の良くない部分が目立ったドラマ

b0189364_18135933.jpg 過去6回ドラマ化されている山本周五郎作の時代劇。
 大呉服屋を勘当された若旦那が、その後堅気になり、芸者と一緒になって棒手売りの商いに精を出していたところ、本家から戻ってほしいという話があり、女房に勧められるまま、女房と離縁した上で(大店であるため芸者の女房はダメとのこと)家に戻ろうとするが……というストーリー。
 シナリオは仲代達矢の妻である隆巴(宮崎恭子)で、これがデビュー作だということ。当時彼女、役者を引退した後で、主婦でもできる仕事をということでシナリオ学校に通っていて、それを仲代が勝手にテレビ関係者に見せたところ採用されたらしい。デビュー作であるためか、シナリオの完成度は低く、時代劇らしくない言葉遣い(「銭湯に行ってきたら?」とか)が多く、見ていて少し白けてしまう。そもそもストーリー自体が現代的な発想に基づいていて、かなり違和感がある。
 演出もやけに湿っぽく、1時間ドラマであるにもかかわらず最後まで見続けるのがつらい。山周(山本周五郎)の悪い面が出ているようで、あまり面白さは感じなかった。ちなみに全編モノクロであった。かなり古い作品で、よく残っていたなという類のドラマである。
★★★

参考:
竹林軒出張所『樅ノ木は残った 乱心(ドラマ)』
竹林軒出張所『椿三十郎(映画)』
竹林軒出張所『赤ひげ (19)(ドラマ)』
竹林軒出張所『いのち・ぼうにふろう(映画)』
竹林軒出張所『闇の歯車(ドラマ)』
竹林軒出張所『果し合い(ドラマ)』
竹林軒出張所『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代(本)』

by chikurinken | 2018-01-08 07:13 | ドラマ