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竹林軒出張所

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『コロナワクチン 私たちは騙された』(本)

コロナワクチン 私たちは騙された
鳥集徹著
宝島社新書

主張には同意するが、内容は薄い

『コロナワクチン 私たちは騙された』(本)_b0189364_12055709.jpg 『薬害「コロナワクチン後遺症」』『新型コロナワクチン 誰も言えなかった真実』の焼き直しみたいな本。同じ著者が今年出した本であり、基本的に現状報告で終始するレベルである。
 まず冒頭で、厚生労働省の「予防接種健康被害救済制度」について紹介がある。この制度は、文字通りワクチンの被害者が救済を請求できる制度であるが、本書執筆時点で1万件に迫る申請数があって、そのうち5172件に被害救済が認定されており、377件が死亡事例として認定されているという事実が紹介される。これはこれまでのワクチン被害と比べて格段に多い件数(これまでもっとも多かったのがMMR〈三種混合〉ワクチンで45年間で1041件)であり、もはや薬害に相当するというのが本書の主張である。さらには、申請書類を整えるのにも相当な労力がかかることを考えると、実際のワクチン被害は、現在の申請数よりはるかに多いことが推測され、どれほどの被害が出ているかにわかに判定できない。有名人の謎の「体調不良」を耳にすることが昨今増えていることからもそれが窺われ、厚労省は速やかに実態調査を行うべきである、と主張する。
 本書の中盤では、医療関係者のコロナワクチン接種に対するいい加減な主張や、医師自身が現在新型コロナワクチン接種を控えている実態などが紹介される他、(危険性が高いと考えられる)mRNAワクチンの開発が世界中で進められている状況を警告し、終盤では新型コロナ「人口ウイルス」説まで紹介される(これは宮沢孝幸が論文で発表したもの)。中盤以降は寄せ集めのようになって雑誌的な内容になってしまっており、正直読んでいてかなり飽きてきた。「コロナワクチン」について今すぐ総括が必要であるという主張には同意するが、中盤以降の記述のためにむしろ説得力を失ってしまうようにも感じる。推測の延長みたいな「人口ウイルス」説なんかは持ち出さない方が賢明である。
★★★

参考:
竹林軒出張所『薬害「コロナワクチン後遺症」(本)』
竹林軒出張所『新型コロナワクチン 誰も言えなかった真実(本)』
竹林軒出張所『コロナ自粛の大罪(本)』
竹林軒出張所『医療ムラの不都合な真実(本)』
竹林軒出張所『コロナワクチン失敗の本質(本)』
竹林軒出張所『コロナ利権の真相(本)』
竹林軒出張所『新型コロナワクチンの光と影(本)』
竹林軒出張所『子どもへのワクチン接種を考える(本)』
竹林軒出張所『新型コロナワクチン 副作用が出る人、出ない人(本)』
竹林軒出張所『新型コロナとワクチンのひみつ(本)』
竹林軒出張所『「副作用死」ゼロの真実(本)』
竹林軒出張所『もうワクチンはやめなさい(本)』
竹林軒出張所『ワクチン神話捏造の歴史(本)』
竹林軒出張所『ワクチン副作用の恐怖(本)』
竹林軒出張所『新型コロナとワクチンのひみつ(本)』
竹林軒出張所『子宮頸がんワクチン事件(本)』
竹林軒出張所『乳幼児ワクチンと発達障害(本)』

# by chikurinken | 2024-07-01 07:05 |

『闘い続けた郵便局長たち』(ドキュメンタリー)

闘い続けた郵便局長たち
英国史上最大のえん罪事件

(2023年・英Little Gem Media、ITV Studios)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

あちらのシステムもこちらのシステムも
似たようなもの
他山の石とすべき


『闘い続けた郵便局長たち』(ドキュメンタリー)_b0189364_08443556.jpg イギリス全土の郵便局で起こった郵便局冤罪事件を取り上げるドキュメンタリー。
 一部日本でも報道された事件ではあるが、対岸の火事であることからか詳細は伝わってこず、富士通のポンコツシステムが絡んでいた程度の認識しかなかったが、このドキュメンタリーで詳細が伝えられたために、おかげさまで全体像を把握することができた。
 元々は、1999年にイギリス全土の郵便局に会計システムが導入されたことから始まる。イギリスの郵便制度は、中央を統括する郵便企業(このドキュメンタリーでは「ポストオフィス」という名前で呼ばれていた)が、各地域に出先の郵便局を構え、地元の人間を郵便局長に就任させて、一切の取引や郵便業務を委託するという方法で運営されていた。日本の制度と似たような方式である。地域の郵便局はどこも、それまで手動会計で概ね健全に運営されていたようで、地元からも愛される存在だったようだが、それが会計システム導入によって一変する。
 各地の郵便局では、1日の収支を毎日記帳しており、差額が出れば局長が補填するようなシステムになっているわけだが、それまでほとんど経理に問題がなかったような郵便局で、数千ポンド単位の赤字額が日常的に会計システムによって示されるようになった。局長たちは驚き本部に問い合わせるが、システムには問題がないためその額を補填するよう指導される。金額が多いため、中には親族に借りて補填した局長もいたが、補填できないためにポストオフィスから詐欺罪で訴えられ逮捕された局長も現れた。
『闘い続けた郵便局長たち』(ドキュメンタリー)_b0189364_08443988.jpg こういう「詐欺事件」が全国的に発生し、多くの郵便局長は失職したり犯罪者にされたり、あるいは不正を行ったとして住民から軽蔑されたりしたわけだが、やがてこういう状況に納得がいかない数人の元局長の有志が集まり、同様の被害が全国的に出ていることを突き止める。つまりシステムの方に問題があることがわかり、ポストオフィスと闘うことを決意する。彼らは集団民事訴訟までこぎつけ、小さな証拠を少しずつ集めて、結果的に勝訴し、ポストオフィス側のシステムの問題、木で鼻をくくった態度しか取ってこなかったポストオフィス内の官僚的な構造などが問題視されるようになった。こうして、かつての郵便局長たちの名誉回復と補償が行われたというのがことの顛末である。
 運用を開始してから不具合が生じたらシステムの方を疑うのは筋だが、テクノロジーに過剰な信頼感があったせいかわからないが、本末転倒の対応しか取れなかったポストオフィス上層部の対応にはまったく呆れかえるばかりである。もっともこういう事例、日本の企業や行政では頻発する事象であり、決して対岸の火事とは言えない出来事で、日本のマスコミでも報道すべき事象であるのに、日本のマスコミも問題意識が低い官僚的な構造になっているのか知らんが、いまだにこのドキュメンタリー以外、大きく報道されることはない。そもそもシステムが富士通製であること一つ取っても、日本国内にも同様のシステムが存在する可能性が高いということを考えると、決して他人事では済まされないと思うが。ホントにこの国の報道機関はどうなってるんだろうかと思う。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『私は屈しない(ドラマ)』
竹林軒出張所『時間が止まった私(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『知事抹殺 つくられた福島県汚職事件(本)』
竹林軒出張所『“悪魔の医師”か“赤ひげ”か(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『DNA捜査最前線(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『“冤罪”の深層(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『正義の行方(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ニッポン国VS泉南石綿村(映画)』
竹林軒出張所『なぜあの人はあやまちを認めないのか(本)』

# by chikurinken | 2024-06-28 07:44 | ドキュメンタリー

『盗撮・児童ポルノの闇』(ドキュメンタリー)

調査報道・新世紀 File3
子どもを狙う盗撮・児童ポルノの闇 前編
後編
(2024年・NHK)
NHK-総合 NHKスペシャル

児童ポルノは個人の人生に深刻な影響を及ぼす

『盗撮・児童ポルノの闇』(ドキュメンタリー)_b0189364_09214384.jpg 犯罪的手法で子どもや未成年を撮影した性的な写真や動画がネットに広く出回っており、現在行政や立法でも問題視されているが、国内でのその現状を追ったのがこのドキュメンタリー。
 「調査報道」と名うったシリーズの1本で、今のNHKが「調査報道」を謳うことに幾分胡散臭さを感じたことから(しかも『NHKスペシャル』の枠であることだし)これまで見てこなかったが、このFile3については比較的しっかり「調査報道」できていたと感じる。ここ10年ほど、NHKには、報道機関であることをやめたかのような印象を受けていたが、そういった世間のイメージを払拭しようとしているのか、そのあたりはよくわからないが、結果的にそれなりのものに仕上がっている。ただ自ら「調査報道」と謳うことには相変わらず違和感を感じる。
『盗撮・児童ポルノの闇』(ドキュメンタリー)_b0189364_09214746.jpg 内容については、実際に児童ポルノ愛好者の集まりに潜入したり、ポルノ画像を配付するアプリの製作者に直撃したりということも行っており、「調査報道」という名に恥じないものにはなっている。特に児童ポルノがネットで広範に取引されている状況に加え、児童ポルノ収集者の依存症状や児童ポルノ愛好家を生み出す背景になっている社会思想などにも踏み込んでおり、問題点を広範な観点からあぶり出そうという姿勢が見える。ドキュメンタリーとしては十分及第点である。また、(児童ポルノの素材にされた)犠牲者のその後の人生に与える影響も取り上げられており、そのあたりも価値が高い。児童ポルノへの嗜好が、決して「個人の趣味」に落とし込むことができない側面があるのは明らかで、被害者からの観点は社会にどんどん知らせていかなければならない。
『盗撮・児童ポルノの闇』(ドキュメンタリー)_b0189364_09213595.jpg 被害者からの訴えは(日本の社会的な背景もあって)表に出にくい性質があるため、意識的に取り上げることが問題の解決の糸口になる。児童ポルノが個人の人生に深刻な影響を及ぼすことがわかれば、言い訳の利かない重罪であることが認識できるだろう。このような事実を広く知らしめるという点で、公共放送で放送する価値があるというものである。これは一種の啓蒙活動であり、報道機関は、この問題について今後も責任を持って社会に知らせていく必要があると思う。そういう点でも今回のこの「調査報道」は評価に値すると言えるだろう。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『未成年の性被害(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『スクールセクハラ(本)』
竹林軒出張所『裁判百年史ものがたり(本)』
竹林軒出張所『スポーツ界 性的虐待の闇(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ブラックボックス(本)』
竹林軒出張所『ハリウッド発 #MeToo(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『説教したがる男たち(本)』
竹林軒出張所『SNS暴力(本)』

# by chikurinken | 2024-06-26 07:21 | ドキュメンタリー

『ジャパニーズ・ドリーム』(ドキュメンタリー)

ジャパニーズ・ドリーム
ネパール人留学生たちの日本

(2024年・NHK)
NHK-BS1 BSスペシャル

日本は組織的に詐欺を働く国になってしまった

『ジャパニーズ・ドリーム』(ドキュメンタリー)_b0189364_13544414.jpg 日本に留学し大学を出て、その専門性を活かして日本で就職する、そして金を稼ぐ……そういうバラ色の未来を謳って、アジアの各国から日本に留学生を呼び込み、それで一儲けするというビジネスがここ数十年間、日本国内で隆盛だという。当初は中国がそのターゲットになり、多くの留学生を呼び込んだが、やがてその真相が広く知れ渡るにつれて留学生が減少していく。それに代わってターゲットになったのがベトナムであるが、やがてベトナムでもその実態が知れ渡り、留学希望者が激減していった。
 普通に日本に住んでいれば、大学を出た日本人でさえ専門性を活かした仕事に就くことは難しく、大学でさえ、金がなければ出ることがきないということはすぐにわかる。アジアの途上国の人々が、日本在住の人々と金銭的に同等の条件になるわけがなく、ましてや言語的なハンディがあるわけで、普通に考えれば、留学生がその後日本企業に就職し成功するなとどいうことが簡単でないことは明白である。こんな明白なことであっても、バラ色の未来を提示されると人はそれに踊らされてしまう。
 中国人、ベトナム人留学生が減ったことを承けて、ここ最近は、それに代わってネパール人留学生が増えているという。早い話が、いくつかの日本語学校が生徒を獲得するために、現地で勧誘しているらしいのである。以前は中国やベトナムで活動を行っていたが、先ほども書いたように真相がばれてしまって勧誘がうまく行かなくなったため、今はネパールにシフトしたということだ。
『ジャパニーズ・ドリーム』(ドキュメンタリー)_b0189364_13544755.jpg こういった一連の勧誘は、日本国内の状況を知っている我々から見ると、詐欺行為ににしか見えない。実際、バラ色の未来を見せられ、多額の借金をしてやっと訪れた日本には、バラ色の未来などなく、多くの留学生は、低賃金で酷使されて勉強する時間も取れずやがて潰されるという結果になる。多くの若者の未来を犠牲にして甘い汁を吸っているのは、彼らを騙して連れてくる「悪徳」業者である。食べていけなくなった者の中には犯罪に走る者も出てくるわけで、日本国内の治安悪化の要因にもなるわけだ。一部の業者の利益を社会全体で負担するということにもなりかねない(すでにもうそうなっているかも知れない)。
 このドキュメンタリーでは、日本にやって来た留学生の現状を報告するんだが、これを見ると、こういった状況を野放しにしておくことがもはや許されない状況になっていることがわかる。一部の業者の詐欺的手法を徹底的に解明して処罰すべき時期に来ている。繰り返すが、ありもしないバラ色の未来を謳って金を出させるのは詐欺行為である。実際には、関係当局も、こういった詐欺行為を看過しているだけでなくむしろ容認しているフシがあるわけで、それを思うとこの国は本当に腐ってきていると感じる。先ほども書いたが、騙して連れてきた人々が食べられなくなれば犯罪に走るしかなくなるわけで、そうすると犯罪増の原因になるのは目に見えている。これまでも、食えなくなった留学生や「技能実習生」が起こした犯罪はあるわけで、他国に対して行った不当な行為は結局自分の国に跳ね返ってくるということだけは認識しておきたい。他者を犠牲にして自分だけうまくやっていこうなどとは考えるなよと思う。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『技能実習生が見たニッポン(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『脳残君ものがたり(本)』
竹林軒出張所『中国 教育熱のゆくえ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ホームレス大学生(ドキュメンタリー)』

# by chikurinken | 2024-06-24 07:54 | ドキュメンタリー

『東洋医学を“科学”する』(ドキュメンタリー)

東洋医学を“科学”する
鍼灸・漢方薬の新たな世界

(2024年・NHK)
NHK-総合 NHKスペシャル

40年ぐらい前に放送してたら良かったね

『東洋医学を“科学”する』(ドキュメンタリー)_b0189364_08215851.jpg 東洋医学が現代医療の現場でも見直されているということを訴える、NHKスペシャルの医療モノ。
 鍼灸治療、漢方などが紹介されていき、東洋医学的な診断なども紹介されるが、目新しいことは出てこず、何を今さらという印象でしかなかった。
 漢方が日本の病院で処方されるようになってからすでにかなり経っている上、米国で鍼治療が見直されたのも40年以上前(負傷していたアメリカンフットボールの選手に良い結果が出たことから世間で見直された)で、ことさら(今の日本で)新技術のように取り上げるのはどうかと思う。東洋医学に関心のない向きにとっては勉強になったかも知れないが(製作者もそういう人なのかも知れないが)、折角取り上げるんであればもっと根源的な部分までアプローチすべきではないかと感じる。全体的に、表層をさらっただけという印象で、浅薄さを感じた。
『東洋医学を“科学”する』(ドキュメンタリー)_b0189364_08220293.jpg NHKスペシャルの医療モノはことごとくポンコツであるため今回も見る気はあまりなかったが、たまたま目にしてしまったのでここで取り上げた。このドキュメンタリーは内容自体は決してひどいわけではないが、時代感覚がずれているんじゃないかと感じる。40年ぐらい前に放送していたら良かったかも知れない。
★★★

参考:
竹林軒出張所『病の起源 第1集 がん(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『医療ビッグデータ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『NEXT WORLD 私たちの未来(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新アレルギー治療(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『腰痛・治療革命(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『腸内フローラ(ドキュメンタリー)』

# by chikurinken | 2024-06-21 07:20 | ドキュメンタリー