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竹林軒出張所

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『中国人一億人電脳調査』(本)

中国人一億人電脳調査 共産党より日本が好き?
城山英巳著
文春新書

b0189364_8254884.jpg 中国のネット事情と日本文化の浸透度の本といえば、このところいろいろ出されていてあまり珍しさも感じない。このブログでも『中国人の本音』(竹林軒出張所『中国人の本音(本)』参照)や『オタ中国人の憂鬱』(竹林軒出張所『オタ中国人の憂鬱(本)』参照)をすでに紹介している。『中国10億人の日本映画熱愛史』などもある意味同系統の本と言える(竹林軒出張所『中国10億人の日本映画熱愛史(本)』参照)。
 この本も、扱っている内容はこういった本とかなり重複していて、基本となるのは、現代中国における日本文化の浸透であり、例によって蒼井そらやジャニーズの人気と、それと同居する「日本憎し」の感情について紹介していて、これが大きな柱になっている。この本も前2著同様、ネットから日本に関する情報を集めるという方法論で、ちょっと違うのは中国版ツイッター「新浪微博」で中国人にアンケートを行ったという点。ただ集まった意見の数は実際にはあまり多くなかったようで、集計調査としての価値もあまり大きいとは言えない。こういった材料を見ると、失敗に終わった後追い本のようにも思えるが、この本のもっとも大きな特徴は、そういった材料を使って現在の中国の国内情勢を適確に分析している点である。
 正直、保守出版社の政治ネタの本ということで、当初はあまり期待していなかったのだが、意外に冷静な目で中国共産党と民衆とのせめぎ合いを分析していて好感が持てる。著者は時事通信社の中国特派員を勤めた人で、中国の内部情勢も肌で感じる部分があるのだろう。今の中国の空気感もよく伝わる。特に最後の章「裏共産党論 -- 西側秩序に挑む大国は何に怯えているのか」で紹介されていた事情が生々しい。中国内の言論弾圧の現状が、弾圧を受けている側の人権派弁護士の目線で描かれている。劉暁波のノーベル平和賞受賞に対する中国政府の黙殺は一般のマスコミ経由で伝わっているが、それに付随して、人権派弁護士などの知識人に対する締め付けも一段と厳しくなっているという。
 また、私腹を肥やす役人と一般民衆との貧富の格差は想像以上で、現政府に対する一般民衆の不満も相当大きくなっているともいう。そしてそういった現状がインターネットを通じて市民にも伝わっており、これまで政府が厳しく情報を統制してきているにもかかわらず、「新浪微博」などを通じて、統制の網をくぐった情報が漏れ出しているということ。中国人の間に広がる日本文化の共感は、こうしたネットによる情報の浸透の結果とあいまって起こったことであり、日本に対する共感と憎悪のアンビバレントな感情は、中国政府による情報統制の代表である反日教育と、ネットを通じて見えてきた実際の日本の姿との矛盾として分析されている。
 今の共産党政府が転覆されるとまでは考えにくいが、少なくとも今のような恐怖政治を維持するのは難しく、いずれターニングポイントを迎えるだろうというのが著者の考えのようである。中国の国内事情がよく分析されていて、今の中国の危うさが窺われるような本である。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『中国人の本音(本)』

by chikurinken | 2011-12-08 08:27 |

『中国嫁日記』(本)

中国嫁日記
井上純一著
エンターブレイン

b0189364_8265176.jpg 自分の身辺をネタにして描いたマンガである(基本は4コマ)。こういう形態のマンガ、最近多くなったなと思う。元々ネット(ブログ)で発表されていたもので、それが最近書籍化された。こういう形態も結構多い。
 オタクのアラフォー男、ジンサン(著者)と、若い中国人妻、月(ゆえ)の新婚生活がネタになっており、日中の異文化交流の面白さが話の中心である。著者が面白いと感じたことをマンガにしてネットで発表していたところ人気が出て書籍化に至ったらしい。というわけで、本書に掲載されている漫画はほとんどネット上で発表されているものと同じで、ネットでも読めるものである。未発表の書き下ろしも本書の後半に追加されており、2人のなれそめが描かれている。
 比較的薄い本であるが、ほのぼのする良い味のマンガである。なんでも最初の1カ月で20万部売れたらしい……。ちなみにこのマンガ、現在も進行中である(『中国嫁日記』参照)。
★★★

参考:
竹林軒出張所『モンプチ 嫁はフランス人 (1)、(2)(本)』

by chikurinken | 2011-12-07 08:27 |

『忍者武芸帳』(映画)

b0189364_7555237.jpg忍者武芸帳(1967年・創造社)
監督:大島渚
原作:白土三平
脚本:佐々木守、大島渚
音楽:林光
出演:山本圭、戸浦六宏、小山明子、佐藤慶、松本典子、福田善之、露口茂、渡辺文雄、小松方正

 白土三平のマンガ『忍者武芸帳』を基にして、白土三平の作画をモンタージュして映画化したという異色作。
 カットごとに原作の絵が表示され、それが次々と入れ替わって、声や効果音が入れられるという方式で、しいて言うなら「よくできた紙芝居」である。だがマンガを実際に読んでいる感覚に近く、意外に違和感はない。実験的ではあるが、この方法自体悪くないと思える。声の出演は、大島渚に縁のある役者が多く、声優としては素人であるにもかかわらず非常にうまく、まったく違和感がない。音楽担当の林光もちょい役で出演している。また、林光の音楽も奇を衒っておらず、良い具合の存在感である。テルミンを使った効果音(音楽)も今となってはやや古臭く感じるが、この時代では普通で、異様な感じは特になかった。
 問題はやはり原作との兼ね合いで、この大長編マンガを2時間に収めるのはやはりムリがあったのではないかという点である。元々全17巻もの分量があり、枝葉をあちこちに伸ばして展開されるような割合冗長な話である。死んだと思った登場人物が実は生きていたなど、ご都合主義的な要素もある。白土本人が「泥縄式」と言うように、白土作品には行き当たりばったりの感じが常につきまとう。こういう大衆小説風な展開は、大長編だから許されるような部分がある。2時間の映画みたいに、ある程度凝縮した形で提示すると、デタラメで無茶苦茶なストーリーという印象が残ってしまう。そういう意味で白土作品は、2時間のドラマにするにはきわめて相性が悪いと言える。とは言え、原作によほど興味があれば別だが、僕など17巻すべて読もうという気にもならず、こういう形でダイジェストで見ることができれば大変助かるのである。だから映画としては高く評価したいところだ。
 なお、原作を読んでいないので、原作の絵をそのまま撮影して使ったのか、映画用に新たに描き下ろしたのかはわからない。映画化のいきさつについては、毛利甚八著の『白土三平伝 カムイ伝の真実』(竹林軒出張所『白土三平伝 カムイ伝の真実(本)』参照)に記述されていた。当時大島渚の助監督をしていた佐々木守が、大島渚のところに原作の貸本マンガをドサッと持ってきたのがことの始まりということで、大島自身が白土と直接交渉して30万円で契約したらしい。『日本の夜と霧』(竹林軒出張所『日本の夜と霧(映画)』参照)との併映でATGの映画館で公開され、大ヒットになったという。
★★★☆
by chikurinken | 2011-12-06 07:58 | 映画

『白土三平伝 カムイ伝の真実』(本)

『白土三平伝 カムイ伝の真実』
毛利甚八著
小学館

b0189364_9141735.jpg マンガ家、白土三平の評伝。白土三平と言えば、『忍者武芸帳』や『カムイ伝』で一世を風靡したマンガ家で、僕の世代では『サスケ』や『ワタリ』の作者という認識が強い。マスコミにもあまり出てこないため、実像が見えてこない作家という印象がある。そういう意味でも評伝が出たこと自体に意義がある。
 著者は、マンガ『家栽の人』の原作者、毛利甚八で、白土三平とは個人的にもつきあいがあるらしい。白土三平の友人であり、ファンでもあり、同時に評伝作家という立場でもある。そのため本書も、客観性を装った一般的な評伝と異なり、友人としての顔、ファンとしての顔がちらちら見えてくる。そのため評伝ではありながら著者自身のエッセイみたいな要素もある。そしてそのさまざまな目線が、白土三平の人間像を浮き彫りにする上で役立っている。
 もとより評伝であるため、白土三平の生い立ちからデビュー、そして現在に至る過程が詳細に描かれていて、作家としての白土三平に関心がある向きにも納得の内容である。ガロ編集長の長井勝一(竹林軒出張所『「ガロ」編集長 私の戦後漫画出版史(本)』参照)や水木しげるの著作(竹林軒出張所『コミック昭和史 第5巻』、『第6巻』、『第7巻』、『第8巻(本)』参照)と併読すると、60年代のマンガ事情が見えてきて、あの「ガロの時代」が活き活きと甦ってくるようにも感じられる。本書では、ガロ創刊についての新事実が白土三平側から示されていて新鮮である。雑誌『ガロ』は長井勝一が主体となって始めたと思われていたが、実際には白土三平が自身の作品を自由に発表できる場所が欲しくて長井を誘い、資金を提供するという形で創刊されたらしい。また、小島剛夕との関係なども目新しい事実である。
 一方でファン目線で書かれている箇所も個人的には興味を引く。それぞれの作品に独自の見解で解説を加え、それがまた白土三平の執筆当時の状況や嗜好との関連で記述されているので、作品解説として非常に適確である。そこには友人(と言っても毛利の方が大分年下である)として間近に接した白土像も盛り込まれている。白土作品を呼んだことのない人向けに、毛利自身が勧める読み方(読む順序)まで紹介されている。多面的なアプローチによる白土三平の評伝+解説本で、白土三平という人物を見事に浮き上がらせた、なかなかの好著である。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『「ガロ」編集長 私の戦後漫画出版史(本)』
竹林軒出張所『コミック昭和史 第5巻、第6巻、第7巻、第8巻(本)』
竹林軒出張所『地を這う魚 ひでおの青春日記(本)』
竹林軒出張所『トキワ荘の時代―寺田ヒロオのまんが道(本)』
竹林軒出張所『ショージ君の青春記(本)』

by chikurinken | 2011-12-05 09:15 |

『蜘蛛巣城』(映画)

蜘蛛巣城(1957年・東宝)
監督:黒澤明
原作:ウィリアム・シェイクスピア
脚本:小国英雄、橋本忍、菊島隆三、黒澤明
美術:村木与四郎
音楽:佐藤勝
出演:三船敏郎、山田五十鈴、千秋実、志村喬、浪花千栄子、久保明、加藤武

b0189364_823024.jpg 黒澤明が、シェイクスピアの『マクベス』を戦国の世に移して翻案した映画。
 芸術映画を意識したせいか知らないが、山田五十鈴がほとんど能面のような顔で能のような動きをする。鼓みたいな背景音が流れるので多分に意図してのことだろう。効果的だったかどうかはよくわからないが、映画の雰囲気を破壊してはいないので特に問題はない。また、黒澤明の多くの映画に共通することなんだが、この映画もご多分に漏れず録音が悪くセリフが聞きとりにくい。後半は特に、絶叫芝居が多くセリフを聞き取れない箇所が非常に多かった(ヘッドフォンで聴いてたんだがね)。
 音の聞き取りにくさもさることながら、序盤は特に流れが悪く、見続けるのが苦痛だった。ただし活劇部分が始まると、さすがに全盛期の黒澤明だけにすごい。合戦シーンは映画史に残るような(実際に残ってるようだが)名シーンで、どうやって撮影したのか最後までわからなかった(見終わった後、スローで再生したが、それでもよくわからなかった)。また、最初と最後に「蜘蛛巣城趾」を出すなどなかなか凝っていて、こういう演出は面白い。さながら荒城の月という趣である。セットを含む美術も特筆もので、このあたりが黒澤明のこだわりなんだろう。モノクロの映像も美しい。
 話の流れとしては、ストーリーが序盤ですべて(予言という形で)明かされてしまうため予定調和的になってしまうのが難であった。また佐藤勝の音楽は、男声コーラスがどうにもいただけない。あれがなければ良いのにと思いながら見ていた。
 しかしやはり最後の合戦シーンのインパクトがあまりにすごいため、それだけでこの映画の難点は吹き飛んでしまう。そういう意味でも黒澤明らしい映画と言って良いだろう。なお、「特別出演」扱いの木村功、宮口精二、中村伸郎は、どこに出ているか結局最後までわからなかった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『椿三十郎(映画)』
竹林軒出張所『用心棒(映画)』
竹林軒出張所『天国と地獄(映画)』
竹林軒出張所『デルス・ウザーラ(映画)』
竹林軒出張所『羅生門(映画)』

by chikurinken | 2011-12-04 08:23 | 映画

『海の畑』(ドラマ)

海の畑(1963年・NHK)
演出:山田達雄
脚本:寺島アキ子
出演:嵐寛寿郎、長谷川明男、沢村美司子、清村耕次

b0189364_8534531.jpg 昭和38年のNHKドラマで、主演はアラカン。
 東京オリンピックを前に都市開発が進む東京で、伝統的な海苔養殖を営んできた漁師が、東京湾埋め立てにより廃業に追い込まれる。誇りを持つ仕事を失うことと補償金を得ることを巡るかれらの逡巡を描く。
 テーマは同時代的で、実際この年に東京大森の海苔養殖業は壊滅したという。おそらくこういったドラマが実際に起こったはずだし、その後日本中で同じような漁業権放棄の問題が持ち上がっているのも事実。こうして、近代の合理性と引き替えに伝統的な技術が失われていくことになる。そして美しい景観も。このドラマに映し出される大森の風景はこれが東京かと見まがうばかりの漁村で、50年前の東京の風景とは思えない。わずか数十年でこれだけ景観が変わるのかと思うほど。実質的には数年で激変したんだろうが。
 テーマはともかくとしてドラマ自体はあまり面白味のないもので、特にシナリオがありきたりでつまらない。演出やシナリオにもう少し工夫があったら面白かったかもしれない。とは言え、当時の東京の漁村の生活の様子が窺えて、それはそれで興味深かった。
★★★
by chikurinken | 2011-12-03 08:54 | ドラマ

『日本の夜と霧』(映画)

b0189364_8311711.jpg日本の夜と霧(1960年・松竹)
監督:大島渚
脚本:大島渚、石堂淑朗
出演:渡辺文雄、佐藤慶、戸浦六宏、桑野みゆき、津川雅彦、小山明子、芥川比呂志

 「60年安保闘争の総括」みたいな話で、とりとめのない議論が延々と続く。結婚披露宴を縦軸にした回想形式のストーリーだが、言ってしまえばだらしない展開である。演出も中途半端だし、役者もうまくない。それにやけに長回しが多く、セリフも恐ろしく長い。そのためか役者も演説をぶつときにあちこちでとちる。とちった箇所をそのままにしておくというのはリアルさを表現しているつもりなのか知らないが、全体に演劇的な照明、演出で、リアルな質感はあまりない。むしろセリフをつっかえつっかえするたびに、見ているこちらはこけそうになり、最終的に拙いという印象しか残らない。どう見ても学生芝居といったノリである。そう言えば大島渚は学生演劇出身だったななどと変なことに思いを馳せてしまう。結果、大島作品らしい雑な作りになってしまっている。
 映画に対してはいろいろな考え方があるだろうが、映像というものがもっともリアルな表現が可能な媒体であることを考え合わせると、やはりリアルさを損ねるのは致命的だと思う。もし意図的に演劇的なタッチを出すというのであれば、(リアルでない)演劇的なレベルでリアルにしなければならないと思う。リアルさを排除した演出にするのであれば、そのレベルでリアルであることが必要。これだけ雑に作られてしまうと、舞台裏を撮影したドキュメンタリーならともかく、完成品としては問題ありではないかと思ってしまう。
 こういうものが映画として認知され、しかも「新しい波」として受け入れられたこと自体、当時のちょっと突っ張った世相を反映しているように感じる。この映画自体が、このストーリーの中で批判の対象になっているような勢力、人々(学生運動や社会運動を自分勝手に先導し周囲を攪乱した人たち)となんとなく結びついているような感覚すら覚え、あまり良い気持ちがしなかった。

追記1:この映画には「1961年、日米安全保障条約に反対する安保闘争を舞台にした作品『日本の夜と霧』を、松竹が大島に無断で自主的に上映中止したことに猛抗議し、同社を退社。」(Wikipedia日本版より)というようないきさつがあったらしい。この映画が「反骨の作品」として注目を浴びたのはこういう要因があったのかも知れない。結果的にこのエピソードが、この作品ひいては大島渚のプロモーションになったと言えなくもない。
追記2:昨日(2011年11月1日)、本作の脚本を担当している石堂淑朗氏が亡くなりました。ご冥福をお祈りします。
★★☆
by chikurinken | 2011-12-02 08:32 | 映画

『アフガニスタンの少女、日本に生きる』(本)

アフガニスタンの少女、日本に生きる
虎山ニルファ著
草思社

b0189364_847952.jpg アフガニスタンで生まれ育ち、15歳の時に戦火を逃れ、日本在住の父を頼って来日したアフガン人女性の半生記。
 著者がアフガンを出国したのはムジャヒディンの抗争の時期で、まだタリバンの時代も米軍の侵攻も始まっていないが、大変な時期だったことは変わりない。銃声は始終聞こえ、ソ連兵が自宅に押し込むこともあったという。現にアフガンの有力者だった祖父はソ連兵に殺されている。当時父は仕事の関係で日本に赴任しており母は家を出ている(その後離婚)という状況で祖父に引き取られていた著者は、途端に路頭に迷い、祖母と一緒に親戚を頼ってあちこち放浪することになる。結局叔母の家の近所に落ち着くが、そこでも家庭内労働に追われ、学校にもまったく行けなかった。そんな折、父の誘いで日本に行くことになる。ただし政治的な情勢から、普通にアフガニスタンから空路で日本へというわけにはいかない。そのため、メッカ巡礼のためにアフガニスタンを脱出し、メッカで父と落ちあい、共に日本へという決死的な計画になってしまう。本書を読んでいるとなんとなく伝わってくるんだが、その行程には常に危険が伴っており、かなり無謀な計画なんである。メッカで父と落ちあうというのも、巡礼の人々が相当な数に登ることもあり、奇跡に近い話である。それでもメッカで奇跡的に合流することができ、父と一緒に来日を果たすことになる。この辺までの話は一種の冒険譚として読むこともできる。
 その後、異国の地、日本での生活が始まる。学校に行きたいという、たっての願いも叶い、しかもその後、基礎学力がないにもかかわらず高校にまで入学する。基礎学力や語学的な背景がないため相当苦労したようだが、この辺は異文化交流の話として読むことができ興味深い。
 やがて日本の生活にも適応していき日本国籍も取得、大学への進学と卒業も果たし、その後通訳として活躍するようになる。現在はアフガニスタンと日本の架け橋となるべく積極的に活動しているとのことである。ちなみに兄も戦火のアフガンを脱出し、現在日本に住んでいるらしいが、こちらの脱出劇は著者以上にもっと劇的である。本書ではその概略にのみ触れられているが、それだけで1本の映画になりそうなほどだ。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『戦場から女優へ(本)』
竹林軒出張所『タリバンに売られた娘(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『わたしが明日殺されたら(本)』
竹林軒出張所『祖国に幸せを(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2011-12-01 08:47 |