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竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2019年 07月 03日 ( 1 )

『性犯罪をやめたい』(ドキュメンタリー)

性犯罪をやめたい(2019年・NHK)
NHK-Eテレ ETV特集

性犯罪経験者の心理にまで踏み込む

b0189364_18144629.jpg 盗撮、のぞき、痴漢、強制的性交などの性犯罪は後を絶たないが、犯人の心理に踏み込んだルポは今まであまりなかった。彼らは何度も同様の犯行を繰り返して、何度も逮捕され収監されたりするわけで、ちょっとアルコール依存などの依存症との共通性も感じさせる。現にこういった人たちの多くは犯行をやめられないわけで、再犯を恐れて、自ら治療を受けるために精神科クリニックに通う人たちもいるほどである。
 横浜のある精神科クリニックでは、こういった人たちに向けて認知行動療法を実施しており、その様子に密着するのがこのドキュメンタリーである。見たところ、その様子はAA(アルコホーリクス・アノニマス)や断酒会を思わせるようなもので、要はなぜ自分が性犯罪に走るのかについて自ら気付くようにし、そうなってしまう条件から身を遠ざけるようにする、それができるようにするというのが目的である。そのために、自分がどういう状態のときに性犯罪を犯してしまったのか、何がきっかけになったのかなどについて自ら考察しそれを記録する。こうすることで、自分の行動を認知し、危険な条件や場所に近づかないようにするというわけである。
 このドキュメンタリーではさらに、このプログラムに参加している犯罪経験者たちに個別に具体的な話を聞いており、性犯罪に走る人々の心理がよくわかるようになっている。痴漢とのぞきではもちろん動機もきっかけも違うわけだが、どの人たちにとってもそれが(当人にとって)比較的安易な犯罪行動で、きっかけがあればそちらに簡単に流れていく、押しとどめることができないという点で共通している。一般的な感覚では痴漢や強制的性交が安易な行動だとは思えないが、彼らの過去の経験がそうさせたというわけだ。したがって、手近で安易な行動という点では、アルコール依存やギャンブル依存などとの共通性はある。そのため、依存症と同様、その行動を発動させるきっかけから遠ざからなければならないということになる。
 なお性犯罪経験者の多くは、ミニスカートなど女性の露出の多さがきっかけになると答えていた。世間では、どんな格好をしても自由だ、悪いのは犯罪者の方だという主張が多く、もちろんそれはその通りなのだが、現実に性犯罪のきっかけになっているということは認知しておいた方が良いと思う。露出の多い服が性犯罪を誘っているという側面があるのは間違いない。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『失踪日記2 アル中病棟(本)』
竹林軒出張所『実録! あるこーる白書(本)』
竹林軒出張所『私、パチンコ中毒から復帰しました(本)』
竹林軒出張所『「教えて★マーシー先生」って……』

by chikurinken | 2019-07-03 07:14 | ドキュメンタリー