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竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2019年 01月 07日 ( 1 )

『北朝鮮 外貨獲得部隊』(ドキュメンタリー)

北朝鮮 外貨獲得部隊
(2018年・aobuero & Moonlight Films/The Why Foundation他)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー
シリーズ WhySlavery? 〜世界の"奴隷労働"〜

北朝鮮には奴隷制度まである

b0189364_15583729.jpg 世界のメディアが協力して同じテーマでドキュメンタリーを作るというシリーズが過去2回あったが、今年は、「WhySlavery?」というタイトルで、現在もまだ残っている奴隷労働について取りあげてみようという企画である。この企画に沿って作られたドキュメンタリーが、先日『BS世界のドキュメンタリー』で数本まとめて放送された。
 今回紹介するのはそのうちの1本で、北朝鮮がいろいろな国に派遣している労働者がテーマ。こういった労働者が存在しているのは知っていたが、これを奴隷労働とする見方は今まで持ち合わせていなかったため、非常に新鮮である。どういういきさつで選ばれた労働者かは知らないが、労働に対する対価のほとんどは国に持っていかれて、ごくわずかしか手元に残らない、しかも超過労働、休日労働も当たり前という環境であることを考えると、これも確かに奴隷労働である。しかもこれに対して不服を言おうものなら、身体的な暴行が加えられたり、強制送還(強制収容所というような話も出てきた)されたりなどということが行われるらしく、こうなるともう完全に奴隷である。
 このドキュメンタリーで紹介されたのは、ロシア、ポーランドでの労働のケースで、記者が潜入して関係者(労働者を含む)の話を聞いて実態を暴くというスタイルである。他にも脱北者たちからも実情を聞いて、北朝鮮の外国派遣労働の真の姿を明るみに出そうとする。隠し撮りしたり身を偽ったりして取材しているため、かなりスリリングな映像も出てくる。なおこうして獲得した外貨は、そのほとんどが支配者一族の収益または核開発費、軍事費になるというのは、元北朝鮮高官の脱北者の弁である。
 あの国については、世界史の流れから100年ぐらい遅れているかのような印象を抱いたりするが、とにかくいろいろなネタが出るもんである。国連の場でも、北朝鮮による派遣奴隷労働が問題になっており、禁止や制裁措置が話し合われたりしているらしいが、例によって中国とロシアが反対していてあまり進展がないらしい。なおこのドキュメンタリーでは、この2つの国が、北朝鮮が派遣する安価な労働力の恩恵にもっともあずかっている国であるという見方をしていた。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『金正日 隠された戦争(本)』
竹林軒出張所『北朝鮮“機密ファイル”(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『底辺への競争 ヨーロッパ労働市場の現実(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『アメリカ“刑務所産業”(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『メイド地獄(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2019-01-07 07:58 | ドキュメンタリー