ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2018年 12月 03日 ( 1 )

『督促OL業務日誌』(本)

督促OL業務日誌 ちょっとためになるお金の話
榎本まみ著
メディアファクトリー

内容は前著と重複

b0189364_16320162.jpg 『督促OL 修行日記』の作者が、あの本の後に出した本。内容はあちらとかなりかぶっており、目新しさはさほどない。タイトルが似ているため当初続編かと思っていたんだが、『督促OL 修行日記』が文藝春秋社、本書がメディアファクトリーから出ているんで、続編という位置付けではなさそうである。あるいは一種の便乗本なのかも知れない。
 構成は、いろいろなテーマごとに項目立てされており、それぞれの項目ごとに著者の4コマ・マンガ2ページ、そのテーマについてのエッセイ2ページ、N本(著者の分身)とK藤(N本の上司)との会話形式のQ&A(「教えて!K藤センパイ」)2ページでひとまとまりになっている。
 カード会社のコールセンターで督促OL業務を行っている著者が描く現場の様子、理想的なお金の借り方などが紹介され、初めて読む分には非常に新鮮だと思われるが、先ほども言ったように前著と内容が重複しているんで、あちらを読んでいればこちらは必要ないかなとも思う。確かに有用な情報はあるが、やや(情報が)垂れ流し気味で面白さは少なめである。
 カード会社の債務を返せない人たちの事例が紹介されるのも前著と同様。中には(返せない客の方がオペレーターに対して)恫喝や脅しをするようなケースもある(多い)ようだが、だからといってカード会社のオペレーターの方もヤミ金のように「ぶっ殺す」などと怒鳴ることはないわけで(現在は法律で禁止されている)、ただひたすらお願いする、あるいは一緒に解決策を考えるというのが現状らしい。だが、返せない客側からすると、督促が来たらあるいは恐怖しあるいは激怒するわけで、こういった人間に対峙しなければならないコールセンターのオペレーターは、それはもう大変な仕事になるのはお察しできる。だがこういった督促が不快だからといって客側が無視し続けたりすると、むしろそれは客の方のデメリットになるというのが著者の意見。そういった場合、そのカードが即使えなくなる上、信用情報が他の銀行やクレジット会社とも共有されるため、クレジットを含む借入れができなくなり、結局のところその客に不便がまわってくるというのである。そのため、督促電話にちゃんと出て、話し合いをした方が客(金を借りて返せない人)にとってははるかに良い結果になるというのが著者の主張である。場合によっては支払日が延期されたり(その分利子が付くが)ということも行われるらしい。借金はうまくしましょうというのが本書の言わんとするところで、借金で首が回らなくなった人にいつも接している現場の人間の意見として非常に貴重である。
 僕自身は極力借金をしたくない人間で、借金をうまく利用しようと言われてもあまり賛同できないが、その趣旨自体はよくわかる。基本的にローンやクレジットについても極力利用すべきではないと思ってはいるが、使うんであれば、著者が言うように賢く使わなければいけないのは火を見るより明らかである。やはり「ご利用は計画的に」というところに落ち着く。
★★★

参考:
竹林軒出張所『督促OL 修行日記(本)』

by chikurinken | 2018-12-03 07:31 |