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竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2018年 10月 28日 ( 1 )

『がんばっていきまっしょい』(映画)

がんばっていきまっしょい(1998年・フジテレビ他)
監督:磯村一路
原作:敷村良子
脚本:磯村一路
出演:田中麗奈、清水真実、葵若菜、真野きりな、久積絵夢、中嶋朋子、松尾政寿、大杉漣

青春がほろ苦い

b0189364_17203409.jpg 明朗青春スポーツ映画。原作は、松山市の『坊っちゃん文学賞』を受賞した小説で、ディテールがかなり具体的であるため、おそらく(自身の経験に基づく)私小説的な作品なのではないかと思う。
 主人公の少女が、松山の名門進学校に入学したものの目的を見いだせない毎日だったが、たまたま海で目にしたボートに心が動き、友人を誘って女子ボート部を作ってボート競技に取り組む……というような話。基本は高校女子ボート競技の話だが、友人たちとの付き合いや恋の行方も織り交ぜられていて、地方の女子高校生の青春記という趣の話になっている。映像は美しく、作りが丁寧であるため、随所に見所がある。また舞台が1976年になっており、(主人公の学年が)最初の共通一次世代などという話も出てきて、少し懐かしい感覚もある。
 内容は、明朗青春映画の『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』を彷彿させるような内容だが、元々は『がんばっていきまっしょい』がこの類の映画の元祖(といってもそれ以前にも似たような作品は数限りなくあるが)で、同じ製作者が2匹目、3匹目のドジョウを狙って作ったのがこの2作らしい。だが、3作の中では、原作がしっかりしていることもあり、『がんばっていきまっしょい』がベストだと思う。明朗な楽しさの中にも青春のほろ苦さが混ざっていて味わい深い(秋刀魚の味みたいにね)。
 主役の田中麗奈は本作がデビュー作で大変初々しい。森山良子と白竜が主人公の父母役で出ていたらしいが、全然気が付かなかった。
朝日ベストテン映画祭第1位、ブルーリボン賞新人賞他受賞
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ウォーターボーイズ(映画)』
竹林軒出張所『オヤジたちの“ウォーターボーイズ”(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『独立少年合唱団(映画)』

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 以下、以前のブログで紹介した『スウィングガールズ』についての評(再録)。

(旧ブログ2006年12月7日の記事より)

<スウィングガールズ(2004年・東宝)
監督:矢口史靖
脚本:矢口史靖
出演:上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、竹中直人、白石美帆

b0189364_710427.jpg よく作り込まれていておもしろいことにはおもしろいのだが、ストーリーが安直だ。マンガのストーリーによく見られるような安直さである。マンガが原作かと思ったくらいだ(どうやらオリジナル作品らしい)。「そんなにうまぐいがねって」と突っ込みを入れたくなる。
 登場人物がみな東北弁(米沢弁ですか?)を話すのは「なぜ?」と思った(関係者が米沢出身なのか?)が、それはそれで非常に味があって良かった。出演の竹中直人は、『シコふんじゃった』で見せたような絶妙なポジションで存在感を見せるが、ストーリーの安直さという点でも『シコふんじゃった』と共通していた。
★★★

by chikurinken | 2018-10-28 07:20 | 映画