ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2018年 07月 07日 ( 1 )

『小間使の日記(ルノワール版)』(映画)

小間使の日記(1946年・米)
監督:ジャン・ルノワール
原作:オクターヴ・ミルボー
脚本:バージェス・メレディス
出演:ポーレット・ゴダード、バージェス・メレディス、ハード・ハットフィールド、ジュディス・アンダーソン、フランシス・レデラー、レジナルド・オーウェン

どれをとってもあまり感じることがない
ブニュエル版を見たいものだ


b0189364_18563723.jpg 『小間使の日記』と言えば、ルイス・ブニュエルの映画が有名だが、あのジャン・ルノワールがそれ以前に、同じ話を映画化していたのだった。寡聞にして知らなかったが、それもそのはず、公式記録によると日本未公開らしい。「日本未公開」と言っても実際にはDVDが国内で発売されているため、いくらでも見ることができる。
 特筆すべきはもう一つ、この映画がアメリカ製であるということである。原作はフランス文学で、監督もフランス人でありながら、全編セリフは英語である。しかも少し(当時の)ハリウッド映画風で、軽めである。
 主役のセレスチーヌは、『モダン・タイムス』の主演女優にしてチャップリンの3番目の(内縁の)妻、ポーレット・ゴダードが演じる。他の俳優についてはまったく知らない人間ばかり。演技はどの俳優もやや大ぶりで、あまりリアルな感じはない。演出も本来のストーリー自体の流れから少々はずれているんじゃないかというような印象を受けた。このあたりはルノワールの他の映画とも共通する印象である。そのためもあって、主人公、セレスチーヌの行動が何やら一貫していないような変な感じがした。素人考えではあるが、もう少し作りようがあるんじゃないかと考えてしまった。このあたりは原作に当たるか、他の映画に当たるかしないと確認できないんで、いずれはブニュエル版も見てみたいと思う。
 ストーリーは、反階級主義みたいな話だが、自由主義フランスで書かれた原作であることを考えると、それほど違和感はない。しかしそのためか問題性もあまり伝わってこない。階級制度の問題はやはりイギリスなんかの専売特許なんではないかとあらためて思う次第だ。
 いずれにしても、演出、キャスト、ストーリーと、どれをとってもあまり感じることのない、面白味のない作品であった。もちろんあくまで個人の感想ではある。
★★★

参考:
竹林軒出張所『大いなる幻影(映画)』
竹林軒出張所『ピクニック(映画)』
竹林軒出張所『ゲームの規則(映画)』

by chikurinken | 2018-07-07 07:56 | 映画