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竹林軒出張所

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2018年 05月 13日 ( 1 )

『パットン大戦車軍団』(映画)

パットン大戦車軍団(1970年・米)
監督:フランクリン・J・シャフナー
脚本:フランシス・フォード・コッポラ、エドマンド・H・ノース
出演:ジョージ・C・スコット、カール・マルデン、マイケル・ストロング、カール・ミヒャエル・フォーグラー、スティーヴン・ヤング

周囲とぶつかり合う1人の奇才軍人の肖像

b0189364_16295138.jpg 第二次大戦時、ヨーロッパ戦線で活躍したジョージ・パットン将軍の戦役を描いた映画。
 パットンといえば、抜群の戦功を上げているが、一方で舌禍や問題行動が多く、そういう点では人間的に興味深い存在である。そのパットンを演じるのが、ジョージ・C・スコットで、彼もアカデミー賞主演男優賞を受賞しながら受賞自体を拒否するというなかなか見上げた男で、パットンに通じるものがあるようなないような。少なくともこの映画で描かれるパットンとは同類の人間のような気がする。
 映画は、アフリカ戦線の第2軍団の指揮を任され、この弱小軍団をたたき直すところから始まり、その後の舌禍事件や神経症兵士に対する殴打事件、それに伴う左遷などが描かれ、ストーリーは割合オーソドックスである。パットンの魅力は随所で描写され、頑固でわがままではあるが一方で愛すべき人物として描かれる。
 当然戦闘シーンもあちこちに出てきて、迫力のある映像が展開される。このパットン自身がいかにも職業軍人という人で、むしろ戦争大好きであるように描かれる(そういうセリフもある)ため、反戦メッセージが前面に出てくるという類の映画ではない。
 映画としてはわかりやすく、戦闘の展開も、アフリカ戦線や西部戦線について若干の知識があれば、それほど複雑すぎることもない。周囲とぶつかり合う1人の魅力的な才人という構図がこの映画のベースの部分にあり、こういったモチーフはいろいろな時代、いろいろな状況で見られるものであって、ドラマの主題としては面白いものと言える。したがって主人公を野球やフットボールの監督なんかに置き換えても、同じような話を作ることができる。実際この映画で描かれるパットン、どこかアメリカ人の熱血監督を彷彿させる。この間、NHK-BSの『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』で紹介されていた元広島東洋カープ監督のジョー・ルーツなんかも似たような人物像であった(ジョー・ルーツは1975年、万年Bクラスの弱小チーム、広島カープの監督になり、徹底的な意識改革をして、同年同チームのリーグ初優勝を実現する。もっともルーツは開幕してから1週間で問題行動で解任されているが、ルーツ・イズムみたいなものはチームに浸透していたという)。
1970年アカデミー作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞他受賞
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『D-Day 壮絶なる戦い(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『プライベート・ライアン(映画)』

by chikurinken | 2018-05-13 07:29 | 映画