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竹林軒出張所

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2018年 05月 09日 ( 1 )

『真昼の決闘』(映画)

真昼の決闘(1952年・米)
監督:フレッド・ジンネマン
原作:ジョン・W・カニンガム
脚本:カール・フォアマン
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:ゲイリー・クーパー、グレース・ケリー、トーマス・ミッチェル、ロイド・ブリッジス、ケティ・フラド、アイアン・マクドナルド

昼下りの出来事

b0189364_17140429.jpg 西部劇だが、スーパーヒーローが悪者をやっつけるというような単純な話ではない。
 かつて主人公の保安官が逮捕し監獄送りにした元死刑囚が、減刑され出所して、この保安官に報復するため仲間と戻ってくるというのが話の始まり。かつてこの町の治安を立て直した功労者だったこの保安官だが、住民たちは保安官に協力しようとせず、結局保安官1人で4人の敵に対処しなければならなくなるという展開になる。昨今のストーカー事件を思い起こさせるが、何かことが起こった場合、自分の身が可愛くなるという町の人々の小市民的な行動にリアリティがある。何でも当時、赤狩りの時代だったそうで、そういう風潮を皮肉っているのではないかという話もある(監督は否定しているらしいが)。
 1人で立ち向かう保安官をゲイリー・クーパーが演じ、従来のかっこいいクーパーと違って、周りに助けを求めながらちょっとびびっている中年男を好演している。この保安官の新妻役はグレース・ケリーだが、2人の年がかなり離れていて相当違和感がある。ゲイリー・クーパーは『昼下りの情事』でもやけに年の離れた女優(オードリー・ヘップバーン)が相手役だったが、当時の客はこういう状況に違和感を感じなかったんだろうか。
 映画のストーリーは、ほぼ映画と同じ時間軸で展開され、「時」、「場」、「筋」がすべて同じという三一致の法則を忠実に踏襲している。そのため、あらゆる部分にリアリティがもたらされ、同時にそれが緊迫感を生み出すという効果が出ている。大変よくできたシナリオの映画であると言える。
 なお『白昼の決闘』というタイトルの西部劇映画もあるが、こちらは別物。大変紛らわしい。個人的な見解としては、原題の「ハイヌーン」で良いんじゃないかと思っている。特にこの映画の場合、ディミトリ・ティオムキンの主題歌が有名で、しかも日本では「ハイ・ヌーン」というタイトルで知られているわけだし。
 今回見たのは「4Kリストア版」で、そのためか画面が非常にきれいで、この種の古い映画に見られる画面のちらつきなどが一切なかった。こちらもポイントが高い。
1952年アカデミー主演男優賞、歌曲賞受賞
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『昼下りの情事(映画)』
竹林軒出張所『わが命つきるとも(映画)』
竹林軒出張所『荒野の決闘(映画)』

by chikurinken | 2018-05-09 07:13 | 映画