ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2018年 04月 09日 ( 1 )

『オリバー・ストーンONプーチン』(ドキュメンタリー)

オリバー・ストーンONプーチン 前編後編
(2017年・米Showtime Documentary Films)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

プーチンの頭の中を少し覗けるかな
だがやはり怖い


b0189364_20310297.jpg 映画監督のオリバー・ストーン、近年は政治的なドキュメンタリーや著作も手がけているが、今度はなんと、あのプーチンに、数回に渡ってインタビューを試みた。そしてその模様をまとめたのがこのドキュメンタリー。今回放送されたものは前編と後編、合わせて100分で、終始和気藹々と対話が展開される。もちろんオリバー・ストーンだけに、ツッコミの厳しい質問もあるが、プーチンはプーチンなりの立場で淡々と、時にはユーモアを交えながら自説を展開していく。
 僕などは「プーチンにインタビュー」と聞くとヒヤヒヤしてしまうが、インタビューは滞りなく進んでおり、オリバー・ストーンが拉致されてシベリア送りになったなどということは(当然のことながら)ない。
 プーチン自身、よくこういったインタビューの申し出を受けたなというのが僕の当初の率直な印象。そりゃ確かにオリバー・ストーンは物事について比較的バランスのとれた見方をするのはわかるが、なんせアメリカ側からのインタビューである。ただ実際には、プーチンはこれまでにもアメリカの著名なアンカーマンの取材を受けていることがこの番組で紹介されていたし、意外にプーチンはアメリカのメディアには慣れていたのかも知れない。実際この番組では、プーチンの立場がはっきりと表明されていたし、家庭での顔やスポーツマンとしての顔も紹介されていて(プーチンが柔道やアイスホッケーをやっているシーンも出てくる)、決してプーチン側のマイナスにはならないと思う。b0189364_20310725.jpgむしろ、西側で報道されるロシア情報がかなり偏っていることにあらためて気付かされるという面もあった。ロシアに対するイメージは、ウクライナ問題もあり、EUと米国によってかなり悪いイメージが誇張されているという話をかつてエマニュエル・トッドの著作(何であったか失念した。『問題は英国ではない、EUなのだ』『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』のどちらかではないかと思う)で知ったが、それは今回少し実感した。ロシア側の視点で見ると、確かに西側諸国によって理不尽なイメージが作られているとも感じる。とは言え、やはりプーチンに怖さを感じるのは変わらない。プーチンにとってもオリバー・ストーンにとっても(イメージ、名声の上で)プラスになったことは明らかであるし、これを見た視聴者にとっても、虚像に踊らされず自分の目で物事を判断するよすがになるというプラス面がある。物事を正しく見るためには、さまざまな視点を確保することが大切である。とは言いながらも、やはりプーチンは怖い。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『プーチンの道(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『混沌のウクライナ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『サルバドル 遥かなる日々(映画)』
竹林軒出張所『もうひとつのアメリカ史(1)〜(4)(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『もうひとつのアメリカ史(5)〜(7)(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『もうひとつのアメリカ史(8)〜(10)(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2018-04-09 07:30 | ドキュメンタリー