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竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2018年 02月 25日 ( 1 )

『ロシア革命 100年後の真実』(ドキュメンタリー)

ロシア革命 100年後の真実(2017年・NHK)
NHK-Eテレ ETV特集

ロシア革命の実像が少しだけ明らかに

b0189364_20184136.jpg ロシア革命100周年ということで、ロシア革命を見直そうという機運がロシア国内でもあるらしい。ロシア国内では、ロシア革命について否定的な意見も見られるらしいが、ほぼ半数はその意義を評価しているという。こういったナショナリズムには少々不気味さも感じるところ。なんせソビエトおよびロシアはかつて世界中を侵略してまわり国内でも大勢の人々を死に追いやった大国である。そこでロシア革命の実態、つまり本当のところを、数人の研究者の研究を基にして、もう一度振り返って見ようという企画がこのドキュメンタリーである。
 このドキュメンタリーで明かされるのは、1) ロシアの敵国(日露戦争時は日本、第一次対戦時はドイツ)がレーニンらの反体制派に対して資金援助しており、そのことがロシア革命の成功に大きく寄与していた点、2) 10月革命後、民主選挙で選ばれた議会をレーニンが突然閉鎖し、政治の実権を強奪した点、3) 革命直後、農民に土地を解放したは良いが農産物を強制徴集したために農村の反乱が多発した点、4) 同時にそれを平定するために毒ガスなどの兵器が使用された点、5) レーニンの非計画性のためにロシア革命を通じ多数の犠牲者が出た点など。どの事実についても今まであまり明らかになっていなかった(あるいはあまり知らされていなかった)ため、非常に新鮮な印象を受ける。少なくとも、現在ロシア国内で見られるような、ロシア革命を手放しで称賛するような風潮は、決して褒められたものではない。実際、ロシアの研究者もこの番組の中で、こういった悪しきナショナリズムの危険性を指摘していた。
 もちろん、ロシア革命を客観的に見直すという作業はまだ緒についたばかりのようで、今後もっと新しい事実が明らかになる可能性は高い。そのためにはロシア国内の政治の安定と民主的な運営が前提として必要になるが、その辺については今後どう転ぶかわからない。いずれにしろ、今の時点でも解明は少しずつ進んでいるようである。期待したいところである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第1集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『カラーで見る 独裁者スターリン(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ラフマニノフ ある愛の調べ(映画)』

by chikurinken | 2018-02-25 07:21 | ドキュメンタリー