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竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

2013年 08月 09日 ( 1 )

『ウォール街の“アンタッチャブル”』(ドキュメンタリー)

ウォール街の“アンタッチャブル” 〜金融危機の責任者はどこだ〜(2013年・WGBH)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

泥棒が金融制度改革の論議をしてるぅ〜
でも善良な市民は金を巻き上げられるだけさぁ〜


b0189364_842559.jpg 2008年のリーマン・ショックは世界中の経済を大混乱に陥れたが、しかしリーマン・ショックの責任を負うべき金融関係者は誰一人として、法的に処分されていない。そういう不正義がまかり通っているのが今のアメリカだが、一方でそのことを追求する勢力もあるにはある。このドキュメンタリーもそういった主旨で作られた作品だが、放送時かなり話題になったというから、多くのアメリカ人も現状には不満を持っているんだろう。
 リーマン・ショック後、オバマ政権は真相追究と責任者の法的処分の方針を立て、必要な分野に予算を配分することを決定した。その方針に従って、調査委員会が作られ、司法省やFBIも動き出したが、しかしその後、責任を負うべき金融関係者を刑事告訴するに至らなかった。司法省とFBIの見解は、刑事告訴するだけの証拠が揃えられないということであった。一方でニューヨーク州の司法当局は、金融機関や関係者に対して(刑事告訴ではないが)民事訴訟を起こしている。かれらは、関係者の証言などを得ることで十分な証拠を入手できたと言っている……というそういう内容。
 視聴者としては、司法省とFBIが告発を断念した本当の理由というのを知りたいところだが、この番組ではそこらあたりまでは突っ込んでいない。もちろん、連中が手を回していることはなんとなく想像できるが、面倒なことになるのを恐れたか、その辺はこのドキュメンタリーでは描かれない。その辺ちょっともの足りない。司法省とFBIが告訴に消極的なことを問題視しているのに、その理由を探ることには消極的というのもなんだか腑に落ちないが、ましかし、こういう事実を市民に伝えるという役割が重要なのは確かなので、そういう点でこのドキュメンタリーが一定の役割は果たしていると言える。いずれにしてももう少しこういった世論を巻き起こさないことには、一向に原因究明、巨悪の断罪に至ることはない。今やアメリカの経済界は、政治や行政にも力を及ぼしていると聞く。だが力を持っているからと言って詐欺まがいのことが許されないのは火を見るより明らかで、そういう意味でもこの類の番組は次々に出てきてほしいところなのである。
★★★

参考:
竹林軒出張所『インサイド・ジョブ(映画)』
竹林軒出張所『マネー資本主義第4回(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ウォール街(映画)』
竹林軒出張所『T(ERROR) FBIおとり捜査の現実(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2013-08-09 08:06 | ドキュメンタリー