つなぐひと
わたし、義肢装具士になりました
(2024年・BS12)
NHK-BS ザ・ベストテレビ2025
地味で人の目に付きにくいドキュメンタリー
義肢装具士の仕事を追うという地味なドキュメンタリー。
義肢装具士というのは、足を失った人のための義肢や足が不自由な人のための歩行補助用装具を作る人で、国家資格になっているらしい。足に障害を抱える人々にとっては不可欠の存在であるが、なり手は減っているという。
このドキュメンタリーで密着するのは、島根県にある義肢装具製作所に勤める若い義肢装具士である。これまで師匠格の先輩について仕事をしていたが、今回初めて最初から最後まで自分の手で義肢を手がけることになる。その仕事に密着し紹介していく。また、彼の視点から患者や先輩との関係にも迫っており、それなりに内容のある面白いドキュメンタリーに仕上がっていた。

ただ1時間のドキュメンタリーとしてはやや地味で、もう少し短めにまとめなければ放送の機会も少ないし、視聴者もあまり見ないんではないかと思う。この番組はBS12(トウェルビ)という民放BS局で製作されたもので、この放送局、この手のドキュメンタリーをたまに放送しているようである。僕自身は、今までこの番組の存在すらまったく知らなかったが、今回、日本民間放送連盟賞最優秀賞を受賞し、NHKの『ザ・ベストテレビ2025』で放送されたために見た。良いものを作っても人に届かなければ意味がないわけで、それを考えると、消えていった秀作ドキュメンタリーも大量に存在するんじゃないかと感じる。ドキュメンタリー作品をストックして、何らかの形で人の目に触れるような機会が必要なのではないかと、この作品を見てあらためて考えたのだった。
2024年日本民間放送連盟賞テレビ教養番組最優秀賞受賞
★★★☆参考:
竹林軒出張所『四肢奮迅(本)』竹林軒出張所『人体と機械の融合を求めて(ドキュメンタリー)』