ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『伝説的トークショーの5日間』(ドキュメンタリー)

ジョンとヨーコ 伝説的トークショーの5日間 前編後編
(2024年・米Revolutionary Films)
NHK-BS BS世界のドキュメンタリー

テレビ番組作りは
製作者の趣味で行うのが一番面白い


『伝説的トークショーの5日間』(ドキュメンタリー)_b0189364_10334585.jpg 1970年当時、ビートルズを脱退してニューヨークに居を構えていたジョン・レノンは、妻のオノ・ヨーコとともに音楽活動や社会活動を行っていたが、社会が保守反動的な情勢になっていた当時、政治問題を広く知らしめるため何かできないかと考えていた。そこで降って湧いたように、昼の帯番組『マイク・ダグラス・ショー』への出演の機会が舞い込んだ。
 そこでジョンとヨーコは、この帯番組を1週間借り切るような形で、彼らが興味を抱いている各界で話題の人々(ほとんどが、昼の有名番組に登場しなさそうな人々)をゲストとして招き、ジョンとヨーコ、マイク・ダグラス、ゲストでトークを繰り広げ、同時にゲストの活動の一端を披露するという番組を放送した。このドキュメンタリーのタイトルになっている「伝説的トークショーの5日間」とはこの1週間の番組のことを指しており、今あたらめて振り返ると「伝説的」と言っても良いような画期的な番組だったということができる。この5日間の番組をダイジェスト的にまとめたのがこのドキュメンタリーである。
『伝説的トークショーの5日間』(ドキュメンタリー)_b0189364_10335632.jpg この番組に登場したゲストは、チャック・ベリー(ロックンロールの元祖的存在)の他、ラルフ・ネーダー(当時の消費者運動の先導者)、ジェリー・ルービン(反体制活動家)、ノブコ・ミヤモト(活動家シンガー)、ヒラリー・レッドリーフ(マクロビオティック料理の専門家)、ヴィヴィアン・リード(歌手)らで、チャック・ベリーとラルフ・ネーダー以外、僕はよく知らなかったが、当時は話題になっていた人々らしく、特にラルフ・ネーダーとジェリー・ルービンについては、お昼のトークショーに出演するということはまず考えられないような人選である。それでもあえて、彼らの活動を社会運動に関心のない主婦層にも認知させたいという意図がジョンとヨーコの側にはあったようで、結果的にその試みは成功している。また当時の映像も出てくるが、番組としてもそれなりに楽しいものに仕上がっており、当時かなり話題になったようだ。たとえば、チャック・ベリーが、ヒラリー・レッドリーフのマクロビオティック料理体験のコーナーに参加していたりして、1つのテレビ番組としての面白さもある。
『伝説的トークショーの5日間』(ドキュメンタリー)_b0189364_10334817.jpg このドキュメンタリーでは、この番組に関わった当時のスタッフや、登場したゲストたちに話を聞き、当時の映像を交えてあの番組を振り返るんだが、ドキュメンタリーの中でゲストの背景などもさりげなく紹介されるため、当時の視聴者に近い感覚で、この「伝説の5日間」の『マイク・ダグラス・ショー』に接することができる。前後編で約90分のドキュメンタリー番組だったが、まったく飽きることなく楽しむことができた。同時にこの「伝説の5日間」の価値も感じることができたのだった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ジョン・レノン、ニューヨーク(映画)』
竹林軒出張所『“イマジン”は生きている(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ジョン・レノンの魂(ドラマ)』
竹林軒出張所『The Making of Sgt. Pepper(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『サージェント・ペパー(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ビートルズとインド(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『EIGHT DAYS A WEEK(映画)』

by chikurinken | 2025-11-06 07:33 | ドキュメンタリー
<< 『ストーリーが世界を滅ぼす』(本) 『プーチンの“標的”にされた男... >>