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竹林軒出張所

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『田舎の日曜日』(映画)

田舎の日曜日(1984年・仏)
監督:ベルトラン・タヴェルニエ
原作:ピエール・ボスト
脚本:ベルトラン・タヴェルニエ、コロ・タヴェルニエ
撮影:ブリュノ・ド・ケイゼル
出演:ルイ・デュクルー、サビーヌ・アゼマ、ミシェル・オーモン、ジュヌヴィエーヴ・ムニック、モニーク・ショメット

印象派の映画

『田舎の日曜日』(映画)_b0189364_11590071.jpg フランスの田舎に住む老齢の画家の元に、息子夫婦と孫、それから唐突に娘がやって来た1日を描いた映画。見るのは、公開当時以来、今回で二度目である。
 主人公の画家はどこか印象派の画家を思わせ、モネ風の大きな庭がある家に家政婦と二人で住んでいる。モネあるいは(立場から考えると)ピサロあたりをモデルとしてイメージしているのかと思える。息子夫婦と孫は、定期的に老画家を(日帰りで)訪れており、画家もそれを老後の楽しみにしているフシがある。一方で、仕事で忙しくあまり家に寄りつかない娘の方にも愛着がある。その娘が、息子夫婦滞在中に突然やって来て、老画家を喜ばせる。画家は彼らに少しでも長くいてほしいが、娘が突然パリに帰ると言い出して彼を困惑させる……というような話。テーマは『東京物語』を思わせるような親子関係ということになるのか。
 ただこの映画が特異なのは映像で、あちこちに印象派絵画のような映像が登場し、有名な絵画と同じような構図が現れたりする。実際印象派の画家たちが好みそうな題材や色彩が終始登場し、美術ファンにとってはそういう面での楽しみが大きい。映像が非常に美しく、詩がちりばめられていると言っても過言ではない。ストーリーは厳しい現実を見せるようなものだが、全体の雰囲気がとても心地良い映画である。背景で流れるフォーレの室内楽も独特の雰囲気を作っており、作品の質を向上させる役割を果たしている。
★★★☆

1984年第10回セザール賞最優秀女優賞、脚色賞、撮影賞
第37回カンヌ国際映画祭監督賞受賞

参考:
竹林軒出張所『夏時間の庭(映画)』
竹林軒出張所『ピクニック(映画)』
竹林軒出張所『印象派の夜明け(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『誰も知らない印象派 娼婦の美術史(本)』
竹林軒出張所『天海祐希 パリと女と(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『デジタル・リマスターでよみがえった「東京物語」』

by chikurinken | 2025-10-23 07:58 | 映画
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