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竹林軒出張所

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『おいしいコーヒーの真実』(映画)

おいしいコーヒーの真実(2006年・英米)
監督:マーク・フランシス、ニック・フランシス
脚本:ヒュー・ウィリアムズ
出演:ドキュメンタリー


コーヒー農家の実情が描かれるが
映画としては退屈


『おいしいコーヒーの真実』(映画)_b0189364_13372444.jpg 世界中、特に先進国で日常的に嗜まれているコーヒーだが、そこには南北問題の縮図がある。つまり、生産国では原材料(この場合はコーヒー豆)が安価に取引されるため、生産者は生活に汲々としているという現実がある。これについてはカカオ豆などの食品だけでなく、天然資源でも見られる構図で、喫緊の問題ではあるが、依然として状況が変わる雰囲気はない。
 このドキュメンタリーでは、コーヒー豆の現状を取り上げるわけだが、コーヒー豆の生産地であるエチオピアでコーヒー農家のために活動しているメスケラという人の視点で、現地の惨状などを報告する。特にこの映画が作られた当時は、コーヒー豆の取引価格が暴落して、その影響が農家に直撃した頃だったため、その状況を映像化して世界に示すことには大いに価値があったと言える。
 ただし見せ方が単調であるため、そのために、ともすれば見ていて飽きてしまうという欠点がこの映画にはある。80分程度の映画だが、僕など途中何度も中断して、先日やっと見終えたのだった。問題の論点をもう少し絞り込んだ方が、見る方も集中できるんではないかと思う。見る方の満足度が上がれば、結果的に映画の評価が上がり、より多くの人が目にする、そしてより多くの人がその実情を知ることになるということを考えると、こういった作品の質は非常に重要になる。そういうことをあらためて考えたのだった。
★★★

参考:
竹林軒出張所『甘いチョコレート 苦い現実(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『砂糖の世界史(本)』
竹林軒出張所『食べものから学ぶ世界史(本)』
竹林軒出張所『メイド イン エチオピア(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『アフリカ争奪戦(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『血塗られた携帯電話(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『知られざるナミビア(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『Love MEATender(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『フォークス・オーバー・ナイブズ(映画)』
竹林軒出張所『いのちの食べかた(映画)』
竹林軒出張所『フード・インク(映画)』
竹林軒出張所『ありあまるごちそう(映画)』

by chikurinken | 2025-10-13 07:37 | 映画
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