なんたって18歳! (51)、(52)(1971年・TBS、大映テレビ)
原作:才賀明
脚本:才賀明
演出:湯浅憲明
出演:岡崎友紀、浜田光夫、平泉征、田崎潤、加藤治子、山田桂子、藤村有弘、春川ますみ、松坂慶子、十勝花子
明るくはっちゃけた「岡崎友紀」ドラマ
1970年に放送された
『おくさまは18歳』が大当たりしたことから、翌年同じ番組枠で似たようなテイストのドラマが放送された。それがこの『なんたって18歳!』で、主演は、『おくさまは18歳』同様、岡崎友紀。ただしそれ以外のキャストは大幅に変わっており、舞台もバス会社と、テイストはかなり違っている。だが岡崎友紀のキャラを前面に押し出した「岡崎友紀」ドラマであるという点は変わりない。
バス会社のオーナー一家の一人娘で、将来の跡取りのために婿をとることが決まっている18歳の少女、青木まどか(岡崎友紀)が主人公。ところがそういう決まったレールに乗せられるのに嫌気がさして、こっそり家出するが、バス会社の社長を務める父親の手引きで、その会社のバスガイドとして入社することに成功する。そんな主人公が、自分の素性を隠したままバスガイドとして奮闘していくというストーリー。
僕自身は放送時に見ていたがそれ以降一切目にすることはなかったが(再放送もあまりされていなかったようだ)、放送当時のインパクトが結構強く、そのためにドラマの内容はかなり覚えていた。特に運転手役の平泉征と3カ月先輩の十勝花子はこれがテレビドラマの出始めの時期だが、かなり印象が強かった。そのためそれ以降テレビで平泉征と十勝花子を目にしても、それぞれ「卓丸」、「3カ月先輩」と呼んでいたほどである。岡崎友紀自身にも大きなインパクトがあったことは言うまでもない。

作品自体はコテコテのコメディで、途中、岡崎友紀が画面の視聴者に向かって語りかけるような演出もあり、はっちゃけた明るいドラマだった。見ていて楽しくなるような作品だったこともあり、当時かなりの人気で、視聴率も高かったように思う。
今回CSで放送されたものを見たが、見たのは最後の2回のみ。ただ、主人公とぶつかり合う「ゴリラ」運転手、卓丸が意外なところに落ち着いていったのは、まったく記憶になかったこともあって、結構な驚きだった。またフィアンセの竜二さん(浜田光夫)との関係も記憶と少し違っていて、その点も意外だった。
ストーリーは荒唐無稽で、かつての少女マンガ風の展開になるため、一生懸命集中して見るようなドラマではないが、家族で楽しむ「お茶の間」ドラマとしては秀逸で、そのあたりが当時の人気の源だったのではないかと感じる。また主題歌は岡崎友紀自身が歌っているが、作詞は、『おくさまは18歳』同様、岡崎友紀自身がやっている。高木飛鳥名義になっているが、これは『おくさまは18歳』の主人公の名前である。
★★★参考:
竹林軒出張所『おくさまは18歳 (1)、(2)(ドラマ)』