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竹林軒出張所

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『田んぼ×未来』(ドキュメンタリー)

田んぼ×未来 あきらめないコメ農家たち
(2025年・NHK)
NHK-Eテレ ETV特集

抜本的な農政の変化が必要

『田んぼ×未来』(ドキュメンタリー)_b0189364_08360392.jpeg 米不足、米価高騰であれこれ騒がれている昨今だが、本当の大きな問題は米の生産者が着実に減少していることにある。昨年・今年のような米騒ぎは言わば短期的な問題だが、5年10年のスパンで考えると、さらに深刻な米不足は当然頻発しうるわけで、米の国内自給もいずれ不可能になることが予想される。言ってみれば農政の失敗のツケがいよいよ回ってくるというわけ。
 これまで、減反に代表されるような、農家を虐げるさまざまな悪農政のせいで、農業従事者は混乱・収益減を強いられてきており、そのためにその数が極端に減ってきているが、その中でも、農業を産業として成り立たせようと奮闘する若い人々は今でも存在しており、このドキュメンタリーに出てくる2人もそういう人である。
『田んぼ×未来』(ドキュメンタリー)_b0189364_08355985.jpeg 1人は家業を継いで農家になった人で、周囲の農家の協力の下、耕作地を集中させることで農業経営を大規模に行っている茨城県の農家。経営は合理的で、大規模化のメリット、デメリットなども検討した上で、一定の耕作面積を維持し、それに見合った分だけ機械化している。従業員も一定数抱えており、農業の産業化に成功している人である。
 もう1人は中山間農業に従事する新規就農者で、元々農業雑誌の編集に携わっていたこともあり、農業の問題についても熟知した上で、職業としての農業を成り立たせることに取り組んでいる。地域にも溶け込み一定の収益を上げてはいるが、農政がたびたび行き当たりばったりの方針転換をするせいで、その悪しき影響を受けているという状況である。
 この番組を通じて、日本の新しい農業の方向性を垣間見ることができたが、どちらのケースでも農政の問題は常についてまわっている。結局のところ、抜本的な農政の変化が望まれるというところに落ち着くわけだ。
★★★☆

参考:

竹林軒出張所『消えた故郷へ帰るとき(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『若きビジネスマンが挑んだ農業再生550日(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『マイファーム 荒地からの挑戦(本)』
竹林軒出張所『“マメの木”が森を救う!(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ハッピーヒル(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『農よ、自然に帰れ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『その農地、私が買います(本)』
竹林軒出張所『たんぼ物語(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『草の大地に生きる(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『未来の食卓(映画)』
竹林軒出張所『遺伝子組み換え戦争(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『モンサントの世界戦略(ドキュメンタリー)』
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竹林軒出張所『タネの未来(本)』
竹林軒出張所『いのちの食べかた(映画)』
竹林軒出張所『ありあまるごちそう(映画)』
竹林軒出張所『食について思いを馳せる本』

by chikurinken | 2025-07-31 07:35 | ドキュメンタリー
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