Gメン '75 (1)(1975年・TBS、東映)
脚本:高久進
演出:鷹森立一
出演:丹波哲郎、原田大二郎、倉田保昭、岡本富士太、藤田美保子、藤木悠、夏木陽介、室田日出男、寺田農
ご都合主義的すぎて釈然としない
50年前、TBS土曜夜9時のハードボイルド枠で放送されていた刑事ドラマ。現在、YouTubeで第1話と第2話が配信されているため見てみた。
最初の放送時も、家族が見ていたためにときどき目にしてはいたが、正直あまり面白いと感じていなかった記憶がある。この少し前に同じ枠で放送されていた
『キイハンター』はそれなりに面白いと感じていたが、もしかしたら見ていたときのこちら側の年齢のせいで生じたギャップかも知れない。
で、今回見た印象もかつての印象とそれほど変わらず、主人公たちがあまりにかっこつけてスカしているため、見ていて白けてしまう。刑事をスーパーマンとして扱うのはこの頃の刑事ドラマの常道だが、このドラマの刑事は度が過ぎていてアホらしくなる。やたら銃を撃ちまくったり、あちこちを飛び回る(まるで瞬間移動のように都合良く犯人を追うのだ)のもあまりに荒唐無稽に映る。そもそもリアリティを追求するようなドラマではないのであるが、それにしてもご都合主義的過ぎる。『キイハンター』同様、日活の無国籍映画みたいなノリで見なければ、見ているこちら側の「認知的不協和を解消」できない。

ただそれにしたって、もう少し整理しなければ、ドラマの品格みたいなものが失われてしまうんじゃないのと思う。あまりにチープでゲス過ぎると、続けて見る気すら起きないものである。もっともこのドラマ、7年間に渡って300回以上放送されたわけだから当時それなりに人気を博していたわけである。「正義」が悪者をやっつけるという、子ども向けヒーローものと同類のドラマが大人たちにも受けていたということなのかも知れないが、今見るとものごとをあまりに単純化していて、奥行きもへったくれもないじゃないかとツッコミの一つも入れたくなるのである。そういうわけで第2話は結局見ることがなかった。
★★☆参考:
竹林軒出張所『キイハンター (1)、(2)(ドラマ)』