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竹林軒出張所

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『シルバー仮面』(1)、(2)(ドラマ)

シルバー仮面 (1)、(2)(1971年・TBS、宣弘社)
脚本:佐々木守
演出:実相寺昭雄
出演:柴俊夫、亀石征一郎、夏純子、篠田三郎、松尾ジーナ、玉川伊佐男

今見てもやはり大して面白味がない

『シルバー仮面』(1)、(2)(ドラマ)_b0189364_09194678.jpg 1971年、変身ものブームに乗っかってTBSで放送された異色のヒーローものドラマ。
 宇宙の平和をもたらすとされる光子ロケットを開発した科学者、春日博士の研究所が、火災に遭うところから話が始まる。謎の宇宙人(チグリス星人)が、光子ロケットのアイデアを狙って同博士を襲い、光子エンジンの研究データを奪おうとしたためである。結果的に春日博士は殺害され、研究所も焼け落ちた。ただロケットエンジンの設計図はその場に残されていなかったため、宇宙人の手に渡ることはなかった。何でもその設計図は何らかの形で5人の子どもたち(春日兄妹)の身体に記録されているらしい。しかもその中の次兄はシルバー仮面に変身する能力まで埋め込まれていたという設定である。
 当時のヒーローものとしては非常に凝った設定で、今見ても奇天烈感はあまりなく、脚本レベルではよくできていると感じる。ストーリー上も大きな破たんはない。ただし一方で、大して面白味がないという欠点がある。僕も子ども時代、放送時に見ていたが、『ウルトラマン』シリーズなどに慣れていた目からすると、面白くないと感じていた記憶がある。しかも変身ヒーロー(つまりシルバー仮面)も人間と等身大であるため著しく迫力に欠ける。野原で子どもたちが変身ごっこをやっているのとあまり変わりない印象である。そういうこともあって当時から視聴率は奮わなかったようで、我々ガキンチョの間でも評判は芳しくなかった。人気が低迷していたためか、途中から巨大化して『ウルトラマン』タイプの変身ものに変わった(『シルバー仮面ジャイアント』)。そこからは面白さもややアップしたような記憶がある。
『シルバー仮面』(1)、(2)(ドラマ)_b0189364_09095554.jpg 今回見たのは第1話と第2話のみだが、どちらも監督が実相寺昭雄、脚本が佐々木守となかなか豪華である。実相寺演出らしく映像も接写を多用した少し風変わりな画面作りになっている。先ほど書いたように大人が見ても耐えられるレベルのドラマではあるが、しかしやはりあまり面白くない。画面も暗く、セリフも聞きとりにくい。何かと問題を起こしてしまう三男の光三(篠田三郎)というキャラクターも少し煩わしく感じる。シルバー仮面の面白くなさそうな口と柴俊夫の大きな鼻の穴だけがやたら印象に残る。
 このドラマも、当時のドラマでよくあったように時折ゲストキャストが登場するんだが、第2話にはナンセンストリオというお笑いグループが登場していた。ナンセンストリオ自体には名前以外の記憶はない。また第6話に南沙織が出ているという話は割合有名で、この第6話と、それから巨大化した後のバージョンは見てみようと思っているが、それ以外はあまり食指が動かない。やはり僕にとっては懐かしさ以外はほとんど何も残らない作品ということになる。
★★★

参考:
竹林軒出張所『ウルトラセブン (1)〜(3)(ドラマ)』
竹林軒出張所『ウルトラセブン (42)、(43)(ドラマ)』
竹林軒出張所『総天然色ウルトラQ (15) 他(ドラマ)』
竹林軒出張所『鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ)(映画)』
竹林軒出張所『変身忍者 嵐 (1)、(2)(ドラマ)』
竹林軒出張所『ジャイアントロボ (1)(ドラマ)』

by chikurinken | 2025-03-07 07:09 | ドラマ
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