日曜劇場 A列車でいこう(1986年・北海道放送)
脚本:岩佐憲一
演出:松田耕二
出演:三田寛子、杉本哲太、川谷拓三、日色ともゑ、名古屋章
やや作りすぎのプロットだが、悪くない 脚本家、岩佐憲一のデビュー作。もっともこの岩佐憲一という人はよく知らない。ではあるが、いかにもデビュー作というようなストーリー展開ではある。やや作りすぎと言うか、力が入りすぎと言うか、シナリオ・コンクール受賞作を髣髴させるようなプロットである。決して悪くはない。
婚礼間近の主人公(三田寛子)が、かつて母(日色ともゑ)と離婚した実の父親(川谷拓三)に逢いに稚内まで赴くというストーリー。移動の列車内でで帰省途中の若者(杉本哲太)から声をかけられ、その後、父親探しの旅にも同行してもらうというように展開する。デューク・エリントンの『A列車でいこう』のレコードが重要な小道具として使われ、そのためにドラマのタイトルもオープニングテーマ曲も
「A列車でいこう」が使われている。
稚内のそこここの街並みが登場し、観光プロモーションにもなっている「ご当地ドラマ」のようでもあったが、ストーリーも演出もまとまりがあり、それなりに楽しめる日曜劇場であった。杉本哲太が好演。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『北の夢(ドラマ) 追悼 田中好子』