城 王たちの物語 ノイシュヴァンシュタイン城
(2004年・NHK)
NHK-BSプレミアム プレミアムカフェ
ルートヴィヒ2世の生涯はよくわかったが
余計な演出は要らないと思う
19世紀後半に即位したバイエルン王、ルートヴィヒ2世は、彼が築城したノイシュバンシュタイン城と、作曲家のワグナーを保護したことでつとに有名である。一方で多額の浪費や精神異常などで取り上げられることも多く、そのスキャンダラスな面でも注目を集めている。ルキノ・ヴィスコンティが、
ルートヴィヒ2世を題材にして映画を作っていることからもそれが窺われる。
このドキュメンタリーは、世界中の城をテーマとして取り上げ、その築城者の生涯を追うというシリーズの1作で、他にも
ザクセン公アウグスト2世や
スペインのイサベル女王が取り上げられている。一応どこかの城がテーマにはなっているが、実際の番組では、その他の城や建物が扱われることも多く、この『ノイシュヴァンシュタイン城』の回についてもそれが当てはまる。ノイシュヴァンシュタイン城が扱われているのは当然だが、他にもルートヴィヒ2世が築城したリンダーホーフ城とヘレンキームゼー城もかなり詳細に紹介される。ヘレンキームゼー城がヴェルサイユ宮殿を模して作られたなどという話は大変興味深いのではあるが、一方で『ノイシュヴァンシュタイン城』というタイトルからは内容がかなり逸脱しているようにも思える。むしろルートヴィヒ王の生涯がこのドキュメンタリーの中心テーマであり、結局タイトルが誤解を招く結果になっている。

それはともかく、ルートヴィヒ2世の紹介ドキュメンタリーとして見ればよくできた番組で、あちらこちらに見どころがある。観光案内の延長みたいなものではあるが、当然、普通の観光レベルでは見ることのできない映像もふんだんに出てくる。
この手の番組でよく感じることだが、案内人(今回の番組では「新鋭建築家」と呼ばれていた人)が出てきて、あちこちの城をめぐりながら言いたいことを言っているんだが、こういう演出が余計で、彼が終始シニカルな態度で臨んでいる上、語っている内容もつまらない。こういう態度を見せられると番組全体の印象が悪くなり、そうであればそもそも何のために案内人を起用しているのかさえわからなくなる。こういった余計な演出を入れず、たとえ「硬派」だとか「面白味がない」とか言われたとしても、後の時代に残せるような、余計なエンタテイメント要素を省いた、しっかりとした作りのドキュメンタリーを作ったらどうかと毎度ながら感じる。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『ルートヴィヒ(映画)』竹林軒出張所『女王イサベル 終の楽園(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『マイセン 幻の磁器の城(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『ニーベルングの指環 (1) ラインの黄金(本)』