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竹林軒出張所

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『夜明けの刑事 (15)、(16)(ドラマ)』

夜明けの刑事 (15)、(16)(1974年・TBS、大映テレビ)
監督:瀬川昌治、国原俊明
脚本:加瀬高之、山浦弘靖
出演:坂上二郎、石橋正次、 鈴木ヒロミツ、藤木敬士、 石立鉄男、山口いづみ、尾藤イサオ、小松政夫、常田富士男、松村達雄、新克利、吉田日出子、峰岸徹

ドラマの格は高いが
ストーリーは安直かつ予定調和


『夜明けの刑事 (15)、(16)(ドラマ)』_b0189364_09350025.jpg 50年前にTBS系列の水曜日夜8時から放送されていた刑事ドラマである。
 70年代は刑事ドラマばやりの時代。刑事ものと言えば、全体にハードボイルドタッチで、容疑者に暴力を奮いまくって拉致するような、今考えると無茶苦茶ではあるが、そういう類のドラマが多かった。このドラマは、コント55号の坂上二郎が主人公の人情刑事、鈴木刑事を演じ、その彼が主役という、他のハードボイルドドラマとは少し違った趣向だったため、異彩を放っていた。僕もほぼ毎週見ていた。
 今回見たのは、第15話「ウソの結婚・刑事はつらいよ」と第16話「ふるさとの学校の先生」の2本。特に第16話は、当時の坂上二郎のヒット曲『学校の先生』をフィーチャーした回で、チャンスがあれば見たいと思っていた作品である。正直再び見られるとは思っていなかったが、今回TBSチャンネルで放送されたものをタイミング良く見ることができた。この作では、予想通り坂上二郎の『学校の先生』が、映像を交えてほぼすべて披露される。そのシーンはさながらプロモーションビデオのようであったが、全体のストーリーは「学校の先生」というテーマに沿ってうまいこと落とし込んでいた。ただやはり予定調和であり、しかも逮捕状がないにもかかわらず被疑者を平気で逮捕ししょっ引いてくるというような場面が出てきて少しばかり引いてしまう。こういうのが当時世間に蔓延する標準的な考え方だったことを思うと、冤罪が多発するのも合点が行くというもの。空恐ろしい。
『夜明けの刑事 (15)、(16)(ドラマ)』_b0189364_09350584.jpg なおこの回については、松村達雄、新克利、吉田日出子、峰岸徹がゲスト的に登場する他、第15話については山口いづみ、尾藤イサオ、小松政夫らが登場する。『夜明けの刑事』全体を見ると、各回のゲストがかなり豪華で、山口百恵やキャロル、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドが登場している回まである。中には、中ピ連の榎美沙子が出ている回もあって、これなどはぜひもう一度見てみたいと感じる。
 このようにドラマの格みたいなものが高いというのは感じるが、やはりストーリーが安直かつ予定調和で、違和感を感じる。いい大人になった今見て楽しめるかというと、なかなかそう呑気なことを言っていられないというのが正直な感想である。
★★★

参考:
竹林軒出張所『刑事くん (1)(ドラマ)』
竹林軒出張所『刑事(ドラマ)』
竹林軒出張所『男たちの旅路 第2部「廃車置場」(ドラマ)』
竹林軒出張所『駅 STATION(映画)』
竹林軒出張所『刑事(映画)』
竹林軒出張所『エルピス (1)〜(10)(ドラマ)』
竹林軒出張所『刑事ジョン・ブック 目撃者(映画)』
竹林軒出張所『完全密着 凶悪犯を捕まえろ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『正義の行方(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ふたりの死刑囚(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『時間が止まった私(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『私は屈しない 特捜検察と戦った女性官僚と家族の465日(ドラマ)』

by chikurinken | 2024-10-04 07:33 | ドラマ
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