ある野球人の死
“不惑”の大砲 門田博光
(2024年・NHK)
NHK-Eテレ ETV特集
スタンドプレーが野球をつまらなくした 1970年代から80年代にかけて「活躍」した野球人、門田博光についてのドキュメンタリー。
実業団を経て、1969年に南海ホークスに入団し、最終的には567本のホームラン(NPB歴代3位)を打ち、野球殿堂にも入ったらしい。ただ、僕の当時の感覚を言えば、記録は残っていても記憶に残らない打者だった。
なんと言っても、とにかくホームランを打ちたいという打者だったらしく、チームより自分の成績を優先するというタイプで、僕に言わせればチームスポーツにはまったく不適格な存在である。実際、門田がクリーンアップを打っていた時代は南海ホークスの低迷期と一致しており、チームの人気も超低空飛行で、球場は閑古鳥が鳴いていた記憶がある(入場者数1,000人とかのレベル)。しかも選手、門田についても、非常に地味という印象で、ホームランを打ったところでまったく印象に残らないタイプであった、僕にとって。当時、フジテレビの『プロ野球ニュース』で「今日のホームラン」というコーナーがあってときどき見ていたが、門田のホームランについてはまったく印象がないのである。おそらく南海ホークスの低迷、身売りの元凶を作ったプレイヤーではないかと個人的には思っている。
今回、ドキュメンタリーで取り上げられるということで、何か見直しのきっかけになるかも知れないと思って見てみたが、やはり印象は変わらずで、見るまでもなかったかなと感じている。
なお、晩年は別荘地に一人暮らししており、糖尿病の治療を続けていた。最終的には一種の孤独死だったという。最後まで自分を貫いたという言い方ができるかも知れない。
★★★参考:
竹林軒出張所『帰らざる黄金の日々(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『阪神再建・63歳の挑戦(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『鯉のぼる国 ドミニカ(映画)』竹林軒出張所『鯉昇れ、焦土の空へ(ドラマ)』