「星の王子さま」の誕生
ニューヨークのサン=テグジュペリ
(2023年・仏ARTE France他)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー
随所に工夫はあるが
総じて学習素材みたいな作品
サン=テグジュペリが『星の王子さま』を執筆するに至った経緯を紹介するドキュメンタリー。アニメーションを交えながら当時の背景を紹介し、どのようにして『星の王子さま』が生み出されたかを明らかにする。
元々フランス空軍のパイロットだったサン=テグジュペリだが、1940年にフランスがドイツに侵略されたのを機に米国(ニューヨーク)に逃れる。すでに作家として名声が高かったため、ニューヨークでも出版関係者から歓待され、執筆を依頼されたりもしている。
当時なかなか新作に取り組むことができない状態だったが、あるとき自作の落書きが編集者の目に留まり、それを使った絵本を描いてはどうだという提案を飲み、できあがったのが『星の王子さま』であったということである。なおこの話、かつてパイロットだったときにサハラ砂漠に不時着し3日間さまよった経験が基になっているらしい。

結局ニューヨークでの亡命生活にも満足できず、その後フランスに戻って再び入隊し、パイロットとして現場に復帰、1944年に撃墜され死去したということである。
総じて『星の王子さま』誕生の背景を紹介するだけの学習素材みたいな内容で、あまり面白味を感じなかったが、アニメーションを駆使するなど、それなりに見せる工夫は行われている。『星の王子さま』やサン=テグジュペリに大いに関心がある向きにとっては面白いかもしれないが、僕のようなそれ以外の人間にとっては教養の切れっ端みたいなレベルの番組で終わってしまう。もちろんそれはそれで良いんだが、途中からかなり眠くなったのは確かである。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『チトサビシイ(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『栄光の旗(ドラマ)』