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竹林軒出張所

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『円生と志ん生』(演劇)

円生と志ん生(2017年・劇団こまつ座)
脚本:井上ひさし
演出:鵜山仁
出演:大森博史、ラサール石井、大空ゆうひ、前田亜季、太田緑ロランス、池谷のぶえ

ミュージカル仕立ての舞台
演出はオーソドックス


『円生と志ん生』(演劇)_b0189364_12210016.jpg 井上ひさしが『円生と志ん生』という戯曲を書いていたのは以前から知っていたが、戯曲はともかく、その舞台となると地方在住で出不精の僕が見ることはまずあり得ない。ところが、便利な世の中になったもので、U-NEXTで公開されていることがわかった。有料でしかも2,500円と決してお安くはないが、ポイントが溜まっていたため、それを使って今回思い切って見てみたのであった。
 ストーリーは、噺家の古今亭志ん生と三遊亭円生が、1945年初頭に満州に慰問に行ったは良いが敗戦の混乱のために帰国できなくなった(1947年に無事帰還)というエピソードをモチーフにしている。2005年が初演で、その後、何度か再演された。今回見たのは2017年の公演で、円生を大森博史、志ん生をラサール石井が演じている。
『円生と志ん生』(演劇)_b0189364_12210543.jpg 話自体は他愛もないもので、悪くはないが特にどうということはない。2時間を超す舞台で、僕は途中少し飽きてきたが、ミュージカル仕立てになっていたりして、そういうものが好きな人には楽しめるだろう。演劇としてはまずまずで、演出もオーソドックスであり破たんはない。僕自身は原作自体に少々物足りなさを感じはしたが、もしかしたら井上ひさしに対する期待が大きすぎたせいかも知れない。
 なおU-NEXTには他にも、『國語元年』をはじめこまつ座の公演が何本か配信されている。それぞれそれなりのお値段ではあるが、こういう機会を設けていること自体は称賛に値する。U-NEXTのラインナップは感心するようなものも多く、月額は多少高いが、Netflixよりずっと充実していると感じる。ただ『國語元年』については、舞台版ではなく、NHKでかつて放送されたドラマ版を見たいんだが、これはNHKが公開していないため、見ることができないのである。NHKは、過去の作品を出し惜しみすることなく、どしどし公開すべきだと毎度ながら感じてしまう。
★★★

参考:
竹林軒出張所『眠れない夜iPodを抱えて』
竹林軒出張所『カラーで蘇る古今亭志ん生(放送)』
竹林軒出張所『びんぼう一代(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『落語家圓菊 背中の志ん生(本)』
竹林軒出張所『ひねもすのたり日記 (1)〜(3)(本)』
竹林軒出張所『凍りの掌 シベリア抑留記(本)』
竹林軒出張所『中国映画を支えた日本人(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代(本)』

by chikurinken | 2024-06-17 07:20 | 映画
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