『メロスたち』（映画）

メロスたち（2023年・プロダクション26）
監督：折口慎一郎
撮影：ふしきさくら
音楽：小林有希子
出演：ドキュメンタリー

地方の高校のとある演劇同好会のその後

　『走れ！走れ走れメロス』のその後を描くドキュメンタリー。当然のことながら、島根県立三刀屋高校掛合分校演劇同好会が舞台になる。
　前の作品で演劇同好会が活動していたのはメンバーが2年生のときで、3年生になるにあたり4人のメンバーのうち3人が辞め、残った1人だけが活動を継続することになる。そのメンバーが、他校に転任した元顧問の亀尾佳宏教諭の演出で再び演劇（一人芝居）をやり、地区大会に出場することになるが、その様子を追うのがこの作品。さらに、卒業間際になって、旧メンバーと他校の演劇部のメンバーとを交えて東京・下北沢で卒業公演を行うことになるが、映画ではそこまで追いかけている。残ったメンバーがプロの俳優を目指すあたりも主要なテーマの一つになる。
　前作『走れ！走れ走れメロス』の東京上映の様子なども交え、前作で気になっていたこの映画を撮影し始めたいきさつや目的なども紹介されており、完結編としてふさわしい内容になっている。この映画の最初の部分で、前作の内容がダイジェスト的にまとめられているため、前作を見ていなくても内容がわかるようになっている。前作同様、演劇を作り上げる楽しみが伝わってくるような映画だった。
★★★☆

参考：
竹林軒出張所『走れ！走れ走れメロス（映画）』
竹林軒出張所『仲代達矢 命と向き合う（ドキュメンタリー）』