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竹林軒出張所

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『タイガーマスク』(1)〜(28)(アニメ)

タイガーマスク (1)〜(28)(1969年・東映、よみうりテレビ)
原作:梶原一騎、辻なおき
脚本:辻真先、三芳加也、安藤豊弘他
演出:田宮武、白根徳重、矢吹公郎他
声の出演:富山敬、山口奈々、 野沢雅子、兼本新吾、中曽根雅夫

ぼくらの紙芝居ワンダーランド

『タイガーマスク』(1)〜(28)(アニメ)_b0189364_09154281.jpg 1969年に放送されたアニメ『タイガーマスク』が配信されていたため見てみた。
 このアニメも『柔道一直線』同様、本放送時、再放送時、再々放送時(浪人のとき)の都合3回以上は見ている。しかも、アニメ化される前にマンガ雑誌『ぼくら』でも愛読していて、『ぼくら』に連載されていたときはまだ学校に上がる前だったが、それほど『タイガーマスク』には思い入れがあった。なにしろこのマンガのせいで、僕はひらがなよりカタカナを先に憶えたのだから(『タイガーマスク』はカタカナの用語が非常に多く出てくる)、マンガだからと言って決して侮ることはできない。なお、原作版は、雑誌『ぼくら』の目玉だったこともあり、『ぼくら』が週刊化されて『ぼくらマガジン』に変わったときにもそちらに移行して毎週連載になり、さらに『ぼくらマガジン』が廃刊された後は『少年マガジン』へと連載が移行したが、僕が読んでいたのは『ぼくら』時代と『ぼくらマガジン』時代の初期までで、謎の覆面レスラー、カミカゼが登場するあたりまでである。
『タイガーマスク』(1)〜(28)(アニメ)_b0189364_09155299.jpg 今回見たのは、28話までで(全部で105話まである)、すべてが『ぼくら』時代のエピソードである。「ゴリラマン」と「覆面ワールドリーグ」のエピソードは、マンガで読んでいたときから非常に印象深かったもので、幼少期から記憶に残っていた。そのため、アニメでもこのエピソードがかなり正確に再現されていたのは良かった。なにしろ「覆面ワールドリーグ」は、序盤の目玉である。
 なお、アニメ版はマンガ版と作画がかなり変わっており(タイガーマスクの目が怖くなっている)、絵も雑な印象で、その上、動画であるにもかかわらず絵があまり動かないと来ている。あまりに動かないため、今見ると紙芝居のようにも見える。こういう特徴があったため、初放送時にアニメ版を見たとき、かなり失望した覚えがある。なにしろ『タイガーマスク』は当時の僕の生活の中心にあったマンガだったんであるから。
『タイガーマスク』(1)〜(28)(アニメ)_b0189364_09154775.jpg とは言っても、長く見ているとそれにも慣れるもので、しかもアニメ版は原作と大分ストーリーも変えられており、独特の世界観が展開される。さながらマフィアと元構成員の壮絶な戦いみたいな様相になってきて、緊張感に溢れる展開になってくる。悪の組織「虎の穴」から次々に派遣される殺し屋と主人公の伊達直人、つまりタイガーマスクとの戦いがスリリングで、最後の最後はとんでもない結末で決着するという、現実離れした破天荒なストーリーになる。現実離れはしているが、物語の中で世界が(異世界ではあるが)ある程度完結しており、そこに一定のリアリティが生じるため、拙い箇所はありはするが、その世界に没頭することができる。それに「覆面ワールドリーグ」に代表されるが、登場するキャラクター(「虎の穴」の殺し屋レスラー)の背景やギミックが面白く、それだけでも見どころ満載と言える。そのため、成長した大人が見てもそれなりに楽しめるのである。実際、僕は浪人時代に、当時夕方放送されていた再放送版を予備校の同級生と一緒に毎回見ていたが(ちょうど夕食時だったため)、20歳前後の大勢の若者の目を引きつけていたという現実がある。
『タイガーマスク』(1)〜(28)(アニメ)_b0189364_09155720.jpg 難点は、先ほども書いたように紙芝居然とした作画であるが、それでも見慣れてしまえば、「雑だな」と感じつつも、あまり気にならなくなるのはすごいもので、人間の適応力にあらためて感心したりもする。いろいろと伊達直人による人助けのエピソードも出てくるが、やはり一番目を引くのが殺し屋レスラーとの対決であり、それ以外の回はやや集中力が切れてしまう。28話でいったん見るのをやめたのも、「覆面ワールドリーグ」が終わってやや中だるみになったためである。この後「アジア王座決定戦」で盛り上がり、最後の「虎の穴」のトップとの対決で最高潮に達するということになるわけだが、しばらく小休止になる。また時間と元気が出たら続きを見ようと思っている。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『虎だ! お前は虎になるのだ!』
竹林軒出張所『ちびっ子レミと名犬カピ(映画)』
竹林軒出張所『追われる日々』
竹林軒出張所『タイガーマスクW(アニメ)』
竹林軒出張所『新宿タイガー(映画)』
竹林軒出張所『ぼくらの60〜70年代宝箱(本)』

by chikurinken | 2024-03-22 07:14 | ドラマ
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