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竹林軒出張所

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『鯉のぼる国 ドミニカ』(映画)

鯉のぼる国 ドミニカ
〜育てて勝つ!カープの夢〜

(2018年・中国放送)

プロ野球の球団もいろんなことやってるのネ

『鯉のぼる国 ドミニカ』(映画)_b0189364_08313847.jpg 2021年に日本映画専門チャンネルで放送され録画していたものを今さら見たので、元々の作品がどういういきさつで作られ放送されたかは本当のところはわからないが、2018年にRCC中国放送が製作した作品であることを考えると、当時広島東洋カープが3年連続リーグ優勝を果たして、それにドミニカ出身の選手が貢献していたことから、改めて彼らを紹介するようなドキュメンタリーが製作されたという経緯が推測される。
 広島東洋カープは資金が潤沢ではないため、「自前の選手を育てて勝つ」のが絶対条件であり、そのためもあり生え抜きの選手が多いことで知られる。そこで、外国人選手についても自ら育てようではないかという発想が芽生え、野球大国であるドミニカに目を付けたというのが1980年〜90年代の話である。で、ドミニカに野球アカデミーを設け、若い有望株を発掘して広島球団に「外国人選手」として送り込もうということになった。もちろんこういう発想はメジャーリーグでは珍しいものではなく、実はメジャーの全球団がドミニカに同様のアカデミーを持っているらしい。メジャーで活躍するドミニカ人選手が多いのは有名な話である。
『鯉のぼる国 ドミニカ』(映画)_b0189364_08314342.jpg このカープのアカデミーだが、平原を切り開くところから工事が始められるなど、建設当初から作業は難航したようで、予算も膨らんだようだ。また当初は運営も必ずしもうまく行かなかったようで、一時期は閉鎖も検討されることもあったが、その後有力選手が日本に送り込まれるようになって、現在(2018年現在)の戦力強化に繋がったというのがこのドキュメンタリーの主旨である。
 この番組が作られた2018年はバティスタやフランスアという選手が活躍していたようで、このドキュメンタリーにも彼らの素顔が登場するが、日本の現在のプロ野球に疎い僕は彼らのことをまったく知らず、したがって感情移入などもまったく起こらない。ただ「育てて勝つ」という手段は非常に好ましく感じる。野球であろうがサッカーであろうが金満球団ばかりが強いプロリーグなんか面白くもなんともないと今の僕は感じている。そういう点で広島カープには親近感を感じるし、こういった地道な活動が功を奏したのは良かったんじゃないかと思う。一方でいくら有力な選手を育てても、次々に他球団に持っていかれている今の状況については何らかの対策が必要ではないかと思う。ヨーロッパのサッカークラブみたいに、「育てて売る」というようなビジネスモデルも確立しなければならないのでないかと感じるが、もうすでに行動を起こしている可能性は十分あるため、僕がこんなところであれこれ言う必要もあるまい。
★★★

参考:
竹林軒出張所『鯉昇れ、焦土の空へ(ドラマ)』
竹林軒出張所『帰らざる黄金の日々(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『“不惑”の大砲 門田博光(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『パットン大戦車軍団(映画)』
竹林軒出張所『モチベーション下がる……』

by chikurinken | 2024-02-28 07:31 | 映画
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