ブルース・リー 10枚の写真
(2023年・英BBC)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー
ブルース・リーの生涯をさらっちゃいました
ブルース・リーの生涯をさらったドキュメンタリー。コンセプトは、10枚の写真(当然ブルース・リーが写っているもの)を題材にして、その当時のブルース・リーの活動や生活を追うというもの。
ブルース・リーは、サンフランシスコで生まれた後香港に移り、幼い頃に武術に出会う。若い頃は他流試合という名目で決闘に明け暮れ、そのために(手が付けられなかったために)父母からサンフランシスコに戻るように命じられて再び渡米し、同地で下働きなどをしていた。その後武術の道場を作ったりするが、そのつてでハリウッド進出を成し遂げる。そのうち『グリーン・ホーネット』というテレビドラマで役を得るも、東洋人であるため冷遇され、その待遇は一向に変わる様子もなく、結局ハリウッドで成功することはできなかった。

その後、香港で格闘映画に出演する機会が訪れ、『ドラゴン危機一発』、
『ドラゴン怒りの鉄拳』などの映画に参加、一躍カンフーブームを巻き起こし、大人気俳優になる。これがきっかけとなって、その人気に目を付けたハリウッドの映画人から映画への出演を誘われ、こうしてできあがったのが『燃えよドラゴン』である。日本でも大ブームを巻き起こした映画で、その後日本でもブルース・リー・ブームが沸き起こるが、ブルース・リー自身は、この映画の公開寸前に突然死し、その生涯を終える。こういった流れが、関係者のインタビューを交えて紹介されるのがこのドキュメンタリーである。
内容的にはあまり目新しさもなく、ウィキペディアの記述を映像化しましたというような内容で物足りなさも感じるが、どうやらこのドキュメンタリー、「10枚の写真を通して著名人の人生を描くBBCの人気シリーズ」ということで、その話を聞くと、表層をさらったような内容で終始したのも頷けるというものである。番組に明確な主張がなく、ブルース・リーをひたすら持ち上げるような内容になっているのもそのせいだろうと思う。それを考えると、こういうやっつけ仕事みたいな番組をことさら日本で放送する意味があったのかと感じる。名前は知ってはいるがよくは知らないというような人が見ればそれなりに楽しめるかも知れないが、それ以上のものではない。目新しい話や視点などはほとんどなかった。
★★★参考:
竹林軒出張所『ドラゴン怒りの鉄拳(映画)』竹林軒出張所「反復練習が上達を生む」の実証 - 「ひたすら一万回」』