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竹林軒出張所

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『2時間でまわるアンコールワット』(ドキュメンタリー)

究極ガイド 2時間でまわるアンコールワット
(2023年・NHK)
NHK-BSプレミアム

アンコールワット観光を堪能できた
プチ「どこでもドア」


『2時間でまわるアンコールワット』(ドキュメンタリー)_b0189364_08215268.jpg 『2時間でまわる』という観光シリーズの第4弾はカンボジアの「アンコールワット」。
 アンコールワットは有名な割には紹介される機会が少なく、外観以外ほとんど何も僕は知らないため、僕にとっては、是非内部を見てみたい、現地に行って観光した気分になってみたいというタイプの名勝である。それに報道写真家の一ノ瀬泰造が目指していた(80年代当時は内戦中で近づくことさえきわめて危険だった)場所でもある。それを考えると、第2弾のピラミッドに匹敵する好企画と言える。なおこのシリーズの第3弾は東大寺だったが、何度も行ってる上、見知っているものばかりで目新しさもなかったため、僕にとっては退屈な企画だった。こういう企画は、やはり素材が大切であると感じる。
 さてアンコールワットだが、カンボジアの主要都市、シェムリアップの郊外に位置している。この番組では、街の中心部からトゥクトゥク(三輪タクシー)を貸し切りで利用するのがお得で便利と推奨されていた。この番組でも実際にトゥクトゥクを利用していたが、現地に向かう途中で制服姿の男に呼び止められてチェックが入ったりする。少し前まで政情不安だったカンボジアであるため少しばかり緊張するが、単純にアンコールワットの入園許可のチェックだった。入園券は、現地で買うことができず、事前に入手しておかなければならないそうである(それを考えると、このチェックはある意味サービスの一環とも言えるようである。現地にノーチケットで行ってしまったら困るからね)。
『2時間でまわるアンコールワット』(ドキュメンタリー)_b0189364_08220027.jpg 無事に現地に到着すると、長い参道を通って濠を越えていき、伽藍内部に入る。伽藍は三重の回廊で囲まれており、第一回廊を回って第二回廊、そして第三回廊に入って祠堂まで上っていく。祠堂の中心部には現在仏像が安置されているが、元々アンコールワットはヒンドゥー教寺院であり、仏像が中心に置かれているのはおかしいわけである。実際には元々ここにヴィシュヌ神の像が安置されていたが、仏教国がこの地を支配するようになって、仏像と置き換えられたというのがその理由というわけ。ただしヒンドゥー教の神像は移動されはしたが破壊されるということはなく、現在も第一回郎の入口付近に安置されている。これもこの行程の最後で拝観する。以上を約2時間のプランでまとめましたというのがこの番組の主旨である。
『2時間でまわるアンコールワット』(ドキュメンタリー)_b0189364_08215628.jpg 実際にアンコールワットを訪れる人にとってはあまり価値がないかも知れないが、僕みたいな出不精の人間には、大変有意義な番組であった。それに全編観光ガイドが入り見どころも紹介してくれるため、観光地を十分堪能できる。その意味で「観光プラン」として番組を特化したことが功を奏しており、それによって、一般的な紹介ドキュメンタリーよりも臨場感がもたらされる結果になっている。2時間という番組枠は少し長く感じるが、何度かに分けて見たため、僕には特に問題はなかった。そういうことが許されるのもテレビ番組ならではで、普通の観光だとそうはいかない。
 この企画、なかなか面白いんで、珍しい観光地を取り上げて、今後もしばらく続けてもらいたいものである(なお第5弾は「大英博物館」だったらしい。見ていないがこちらはあまり食指が動かない)。珍しい観光地というのがミソである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『2時間でまわるピラミッド(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『夏の北アルプス(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2023-08-18 07:21 | ドキュメンタリー
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