『ジョーイ』（映画）

ジョーイ（1977年・米NBC）
監督：ルー・アントニオ
脚本：ジェリー・マクニーリー
出演：ジェラルディン・ペイジ、マーク・シンガー、ジェフリー・ライナス

かなり泣かせる映画である

　高校生の頃テレビの吹き替え版を見て涙を流してしまった映画。映像を見て泣いたのは初めてだったんで当時僕自身かなり驚いていたんだが、同級生も初めて泣いたと言っていたため、かなり泣かせる映画であることは間違いない。
　全米大学ナンバーワン（ハイズマン賞受賞）のフットボール選手、ジョン・キャパレッティの家族の話を描いたノンフィクションが原作になっており、その後それに基づいたテレビ映画がNBCによって作られた。日本ではそれが劇場公開されたためテレビ映画という扱いだったが、こういう作品はテレビの名画劇場で吹き替えられて放送されるのが常で、この作品も『水曜ロードショー』で吹き替え版が放送された。この『水曜ロードショー』版では、ジョン・キャパレッティを演じたマーク・シンガーのセリフを国広富之が吹き替えており、それがまた非常に好演だったので、余計感動を誘ったのだった。
　物語は、大学フットボール（ペンシルベニア州立大学）で活躍するランニングバック、ジョンと、白血病の弟、ジョーイ（十代前半くらい）との交流を中心に描かれ、最後のハイズマン賞受賞スピーチで終わるというもので、全体的にかなりダイジェスト的で今見るとやや物足りなさを感じるが、重要なシーンはしっかりと描かれクオリティも高い。ドラマとしての起伏もあり、今見ても十分楽しめる。当時のペンシルベニア州立大の試合映像（キャパレッティが実際に走り回っているやつ）も違和感なく随所に折り込まれ、リアリティを増している。
　このたび思い立ってもう一度見てみようと思ったんだが、実はDVDが発売されておらず、映像が配信されているということもないようで、その点少し驚いたのだった。公開当時それなりに配給収入もあって人気もあった話題作であったにもかかわらず、VHSでしか残っていないというのがかなり意外だったわけである。それでも良くしたもので、VHSからコピーしたであろう作品がYouTubeにアップされていたため、今回見ることができたというわけである。ありがたいこと限りなしだが、途中一箇所1分ほど途切れているシーンがあった。面白い会話が展開されるシーンが途中で切れていたのが残念だが、それでもほぼ全部を見ることができるのはアップしてくれた人のおかげということで感謝に堪えないわけである。アーカイブを残すことは本来であればメーカーの仕事だとは思うが。
★★★☆

参考：
YouTube『Something for Joey ジョーイ 1977』
竹林軒出張所『ザ・ビッグハウス（映画）』
竹林軒出張所『天国から来たチャンピオン（映画）』
竹林軒出張所『ロンゲスト・ヤード（映画）』
竹林軒出張所『なぜに関京戦は岡山に行くの？』
竹林軒出張所『夢千代日記 (1)〜(5)（ドラマ）』
竹林軒出張所『本田美奈子．最期のボイスレター（ドキュメンタリー）』