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竹林軒出張所

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Say Hello to Halo(ハローにハロー)

 先日(2023年5月3日)の午後、ふと空を見上げると、妙な形の虹が出ていた。虹と言えば「虹の架け橋」などというように一般的には橋形だが、このとき見た虹は、上空で水平方向に伸びていたため、それで少し驚いたわけである。虹と同じような現象で光が屈折してできているんだろうくらいの想像は付くが、こういう類の虹はこれまで一度も目にしたことも耳にしたこともなかったのである。
Say Hello to Halo(ハローにハロー)_b0189364_09355883.jpg
 記録のためと思い写真に撮ったりしていたんだが、ふとさらに上空を見上げると、太陽の周りにも虹が円形に出ていて、二度ビックリ。これを見るのも人生初だが、かなり壮大な現象のようで、少しばかり奇妙な感覚が涌く。こちらもしっかり写真に収めた。
 で、帰宅した後、家人に少し得意気に写真を見せたんだが、先方も写真に収めていて、結局何枚も見せつけられたのだった。何でも、ネット上ではすでに話題になっていたらしく、いろいろな人がSNSに写真を上げていた。しかもこの現象に「環水平アーク」という名前がついていることまで紹介されていた。僕はまったく初めての経験だったが、割合頻繁に発生するようなのだ、この現象は。なお「環水平アーク」というのは、最初に見た水平方向に出ているやつで、太陽の周りを取り囲んで出た環状の虹は「暈(かさ)」または「ハロー現象(halo)」というらしい。昔、「月が「かさ」をさしたら翌日雨になる」などと親から聞いたことがあり、その「かさ」が何であるのかずっとわからないままだったが、どうやらこれがその「かさ」に当たるものらしい(月の周りに出たかさを「月暈」というそうだ)。「月のかさ」も今まで見た憶えがなかったが、これで「月のかさ」の正体も判明したことになる。
Say Hello to Halo(ハローにハロー)_b0189364_09310779.jpg 今回、思いがけず、未知の気象現象を目にすることになったわけだが、長く生きているといろいろなことが起こるとあらためて感じる。不幸なできことに出会ってしまうのは御免被りたいが、こういう何でもない気象現象であれば、ちょくちょく遭遇しても別段不都合はない。特にまったく知らない状況でこういう気象現象に出会うと、相当な意外性を感じて驚くものである。現象があまりに壮大であると、自分が自然のほんの一部であることを実感したりもする。
 日食や月食にしても、まったく予想外の状況で出会ったりすれば、驚きは桁外れだろうと思う。今はほとんどの天体現象、気象現象が事前に予告されるため意外性は少なくなったが、それは事前にそのことを知っており、しかも現象として仕組みを理解しているからであって、古代の人々がそういった現象を恐れたという話を聞いても、それを馬鹿にすることはできないわけである。今回の初めての気象現象に接して、そういうようなことにまで思いを馳せたのだった。

   天空の暈(かさ)にわが身の嵩(かさ)を知る

追記:
 その後ネットの記述で確認したところ、昨日起こった現象は西日本のかなり広い範囲で見られたようで、少なくとも京都から島根あたりまでは出ていたようである(写真で確認できた)。僕は、虹同様、もっと局所的な現象かと思っていたため、そのこともかなり意外に感じた。
 1974年のドラマ、『日本沈没』で、「京都にオーロラが出る」現象が起こるが、ハローや環水平アークでも西日本一帯で見られることを考えると、京都限定でオーロラが見られることの強引さというか無理やりさが実感できる。やはりどう考えてもあれは無理がある……と今さらながら思う。もっとも、50年前に放送されたドラマにこうやってイチャモンをつけることなど、無意味と言えばまったく無意味ではあるが。

参考:
竹林軒出張所『日本沈没 (74年版) (5)〜(14)(ドラマ)』
竹林軒出張所『君の名は。(映画)』
竹林軒出張所『今日の歳時記 「暑いっちゅーねん」編』

by chikurinken | 2023-05-15 07:26 | 日常雑記
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