だってしょうがないじゃない(2019年・サンディ)
監督:坪田義史
撮影:坪田義史、池田将、和島香太郎
出演:ドキュメンタリー
発達障害者の独居生活は興味深いが
映画作品としては無駄に長すぎる

映画監督の坪田義史という人が、発達障害の再従兄弟(またいとこ)である「まことさん」の生活に密着するドキュメンタリー作品。
母親の死後、一人暮らしを続けているまことさんだが、発達障害のために自分ですべての生活を管理できていない。親代わりにまことさんの身辺を世話しているのが叔母さん(関係が複雑で飲み込めなかったが親戚)で、まことさんはその叔母さんには頭が上がらない。まことさんは見た感じ割合普通で、発達障害だと言われなければわからないかも知れないが、ものごとに対するこだわりはかなり強く、生活スタイルを変えることにも抵抗を示す。
で、そのまことさんのところに出入りして、まことさんと付き合いながらその周辺を撮影したのがこの作品である。監督自身、精神状態が良くなく発達障害と診断されたことから親戚のまことさんに関心を持ったようで、映画の中では監督自身のことも描かれる。
独居の発達障害者が、後見人の死去や自らの老化などの問題に直面する状況が描かれて、興味深いテーマではあるが、それにしても2時間だらだらとおじさんの生活を見せられるのは、なかなか厳しいものがある。1時間ぐらいに凝縮して提示した方が良かったんじゃないかとも思う。少なくとも僕にとっては、全体的に冗長に感じられ、途中から見続けるのがかなり苦痛になってきた。
★★★参考:
竹林軒出張所『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした(本)』竹林軒出張所『発達「障害」でなくなる日(本)』竹林軒出張所『最貧困女子(本)』竹林軒出張所『脳が壊れた(本)』