地球の静止する日(1951年・米)
監督:ロバート・ワイズ
原作:ハリー・ベイツ
脚本:エドムンド・H・ノース
出演:マイケル・レニー、パトリシア・ニール、ビリー・グレイ、サム・ジャッフェ、ヒュー・マーロウ
よく練られたストーリーとガジェット
核戦争に対する危機感が広がる冷戦時代に米国で制作されたSF映画。
あるとき、謎の飛行物体(円盤)がワシントンに着陸するというところから話が始まる。対応にてんやわんやする政府と住民にやがて運命のときが迫る……といった内容のフィクションである。
宇宙人と対峙するSF小説や映画は数あれど、これは本格SF映画の嚆矢だとされているらしい。異星人が操るさまざまなガジェットについても、今見ても滑稽なものが少なく、よくデザインされていると感じる。よくできたストーリーのよくできた映画である。
ストーリーがしっかり作られていることから原作ものだろうと思ったが、原作はどうやら大分異なるようで、オリジナルのストーリーと言っても過言ではないと思う。そういう点でもSFの古典映画という呼び名がふさわしい作品である。古典SFらしいメッセージ性もしっかりあって、なおかつスリルやサスペンスの要素もあり、21世紀の今見ても十分楽しめる作品である。なお、本作には
『地球が静止する日』という2008年作の(ややこしいタイトルの)リメイク版もある。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『吸血鬼ゴケミドロ(映画)』竹林軒出張所『決戦 ! 南海の大怪獣(映画)』竹林軒出張所『ストーカー(映画)』竹林軒出張所『渚にて(映画)』