戦時下の大統領 ゼレンスキー
(2022年・独LOOKS/rbb/WDR)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー
ゼレンスキーの現在と過去
現在、ロシアのプーチンに対して対決姿勢を鮮明にしているウクライナ大統領といえば、ゼレンスキー。世界中の映像媒体に登場し、ロシアの非道を訴え、ウクライナへの支援を要請している。戦時下の国の代表者としてこれ以上ないほどの活躍と言える。そのゼレンスキー・ウクライナ大統領のこれまでのキャリアと、現在の活動を追ったのがこのドキュメンタリー。このドキュメンタリーの作成開始当初はロシアがまだ侵攻していなかったため、非戦時下のゼレンスキーの姿も映像で捉えられている。
ソ連時代のウクライナで生を受けたウォロディミル・ゼレンスキーは、大学を卒業してテレビの製作者、放送作家、コメディアンなどとして活動する。その後、オリガルヒ(ロシアの新興財閥)、コロモイスキーの支援を受けて自ら制作会社を立ち上げ、高校教師が大統領になるというストーリーのドラマ(『国民の僕』)で主役を演じる。これがヒットしたことから一躍人気が出て、2019年の大統領選挙に出馬しドラマさながら大統領になるのである。
ただ大統領になったものの、ろくに成果を上げることができず、支持率は急降下する。そんな折に、2022年2月にプーチン・ロシアがウクライナ領土内に侵攻するという事件が起こる。ウクライナはロシアの攻撃に晒され戦時下になってしまうが、ここでゼレンスキーの発信力が威力を発揮する。映像を通じてヨーロッパや世界各国に支援を訴え、ロシアの非道を告発するという活動を始めた。ウクライナの危機的状況を世界に訴える役割を果たし続け、戦時下の大統領として支持を集めることになったのである。
このドキュメンタリーでは、戦時下の大統領としての表の顔だけでなく、コロモイスキーとの関係についても描写しており、戦時下であればともかく、今後も信頼できる首脳であり続けるかについては保留しているようである。いずれにしても、現在のゼレンスキーの活躍ぶりは注目に値する。一方で、ウクライナ危機が収束した後は、コロモイスキーとの関係について注目していきたいところである。
★★★☆参考:
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