医療ムラの不都合な真実
鳥集徹著
宝島社新書
腐敗した医薬界・医療界の現状を
白日の下に晒す
宝島社新書からコロナ本を立て続けに出した(
『コロナ自粛の大罪』と
『新型コロナワクチン 誰も言えなかった真実』)医療ジャーナリストの鳥集徹が、あらためて宝島社新書から出した医療本。もちろんコロナ禍についても大幅に紙面を割いている。というより、基本的にはコロナ本である。
第1章では、これまでのコロナ騒ぎを振り返って、すでに「新型コロナ」が風邪に変わっているにもかかわらず、いまだにコロナ対策を改めようとしない行政とその取り巻きの学者たちを批判する。第2章では、最近テレビでやたら耳にする「エビデンス」についてで、エビデンスをしきりに訴えている人々が実はちゃんとしたエビデンスに基づいて行動していない実情を紹介する。科学や学術にはエビデンス(つまり証拠)が必要であることは言うまでもないが、偽の「エビデンス」がはびこり、それを信仰している学者は意外に多い。医療従事者も同様で、日本のコロナ対策見直しが進まない理由もそこに求めている。第3章では、その偽の「エビデンス」を生み出す要因が製薬会社にあり、製薬会社が自社の利益のために実験結果を書き換える、そして医療関係者がそれに協力するといった現状が浮き彫りにされる。さらに第4章では、テレビや新聞などのマスコミも、その利害関係のために彼らと一体となって偽の「エビデンス」を喧伝している状況が報告される。結論として、マスコミも医療関係者も、それから製薬会社も、みずからの倫理に基づいて行動すべきことが訴えられるという、そういう本である。
内容は、他の本でもたびたび取り上げられているようなことで、ことさら目新しさはなく、しかも200ページ弱の新書であることから、医療の現状を知るためのパンフレットみたいな感覚で読むのがベストではないかと思う。実際、それほど時間をかけずに読み終えることができるし、内容も比較的平易かつ論理的で、悪くないと思う。こういう事実についてあまり知らない人にとっては格好の入門書になるのではないかと思う。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『コロナ自粛の大罪(本)』竹林軒出張所『新型コロナワクチン 誰も言えなかった真実(本)』竹林軒出張所『コロナワクチン失敗の本質(本)』竹林軒出張所『コロナ利権の真相(本)』竹林軒出張所『医者が飲まない薬(本)』竹林軒出張所『コロナワクチン 私たちは騙された(本)』竹林軒出張所『薬害「コロナワクチン後遺症」(本)』竹林軒出張所『子どもへのワクチン接種を考える(本)』竹林軒出張所『大学病院が患者を死なせるとき(本)』竹林軒出張所『大丈夫か、新型ワクチン(本)』竹林軒出張所『コロナ禍の9割は情報災害(本)』竹林軒出張所『新型コロナとワクチンのひみつ(本)』竹林軒出張所『新型コロナ考……または統計の読み方』竹林軒出張所『新型コロナ騒ぎは総括が必要』