計画された!コロナパンデミック
勇気あるドイツ人科学者の告発
スチャリット・バクディ、カリーナ・ライス著、大橋眞監修、字幕大王、リーシャ、鄭基成訳
成甲書房
内容はともかく翻訳がひどすぎる
『コロナパンデミックは、本当か?』の続編で、その後のドイツの(もちろん世界も)コロナ騒ぎの状況について分析する。
内容は、新型コロナが本当に「新型」の伝染病かという疑念に始まり、民主主義を阻害する全体主義的な政府の対応や、ワクチンの危険性に至るまで、コロナ・パンデミックに付随するさまざまな問題点について検証していく。
内容自体は、(日本で発刊された)他の本でも概ね触れられていて、特に目新しさは感じないが、ドイツの事情が日本と大して変わらないということはよくわかる。ただし、全体的に翻訳がかなり悪い。誤訳と思われるような辻褄が合わない箇所や、何を言っているのかわからない箇所も散見され(これについては前著でも共通)、結果的に、それが本としての価値を著しく損ねている。
たとえば、第12章のp.112に、
★ また、英国では、COVID-19を死因とした死亡診断書の30%近くに原因疾患が記載されていなかったと、エビデンスベース医療センター(Center for Evidence-Based Medicine)は述べています。ドイツ・バイエルン州の数字を見てみると、ここでは、「COVID-19による死亡」と記録された20%弱において、確実に1例のCOVID-19による死亡が取り除かれていることが見てとれます。
つまり、いわゆる「COVID-19による死亡」のうち、少なくない割合において、当初はCOVID-19は全く考慮されていなかったと考えねばなりません。さらに、SARS-CoV-2感染が死因となった可能性がある、あるいはその疑いがある死亡例の割合もあります。その割合はどのくらいになるのでしょうか? 分かっていないのです。 現在の研究では明らかになっていません。分かったとしても、せいぜい病理学者が調べられる程度です。
という記述があるが、何が言いたいのかがわからない。原文を見てみたいくらいだ。
もちろん参考になる記述もあるにはあり、ワクチンの危険性について書いた箇所は、現代の日本でも周知させたくなるような内容である。以下に少し引用(第15章のp.136)。
★ しかし私たちは、それ(ワクチン)が効果のあるものか、どの程度の効果なのか、どんな結果をもたらすのかについて、何も知らされていないのです。
もちろん、その間に多くのデータが出揃っています。ただ残念ながら十分な説得性はありません。したがって、EU内では従来方式による認可ではなく、「条件付きの承認」に過ぎないのです。
今後2年間、「有効性とリスクのどちらが大きいか」が検証されるでしょう。これからワクチン接種を受ける全ての人々は、この壮大な実験に参加することになります。というのも緊急事態下におけるワクチン接種に際して、製造者による保証は何もありません。つまり事故が起こった場合、死亡も含めて、製造者は賠償責任を免除されているのです。
しかし、まさにコロナウイルスに対するこのmRNAワクチンという全く新たな種類の遺伝子ベースのワクチンに対しては、どれだけのリスクがあるかについての検証が特に求められるはずです。なぜなら、現在の科学的知見によれば多岐にわたる深刻な副反応が考えられるからです。
この章は全体的にまだ読める内容になっているため、おそらく翻訳が章単位で分業になっていたのだろうということが推測できる。とにかく全体に渡って翻訳の質がかなり低いのは確かで、そのために、内容はまともであるにもかかわらず、時間をかけて読むに値しない本になってしまったのははなはだ残念である。
この本に限らず、新型コロナ関連本は質の悪い本が多いと感じる。そのため、新型コロナ関連本は読む方が、あらかじめ、ある程度厳選しなければならないことになる。僕としては、近藤誠の
『新型コロナとワクチンのひみつ』を多くの人に勧めたいと思う。内容がほぼ本書と共通している上、近藤誠の本は何よりも読みやすさが群を抜いている。読んでいて疑問符が頭の中を駆け巡るようなことはあまりない。ドイツの事情に特に興味を持っている人以外は、近藤本の方がお勧めである。
★★★参考:
竹林軒出張所『ワクチン幻想の危機(本)』竹林軒出張所『新型コロナとワクチンのひみつ(本)』竹林軒出張所『コロナパンデミックは、本当か?(本)』竹林軒出張所『新型コロナとPCR検査の真相(本)』竹林軒出張所『PCRは、RNAウイルスの検査に使ってはならない(本)』竹林軒出張所『新型コロナワクチン 誰も言えなかった真実(本)』竹林軒出張所『コロナ禍の9割は情報災害(本)』竹林軒出張所『コロナ自粛の大罪(本)』竹林軒出張所『イベルメクチン(本)』竹林軒出張所『新型コロナワクチン 副作用が出る人、出ない人(本)』竹林軒出張所『大丈夫か、新型ワクチン(本)』竹林軒出張所『ワクチン副作用の恐怖(本)』竹林軒出張所『新型コロナ騒ぎは総括が必要』竹林軒出張所『新型コロナ考……または統計の読み方』竹林軒出張所『京大 おどろきのウイルス学講義(本)』