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竹林軒出張所

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『消えた200億円と暗号資産の闇』(ドキュメンタリー)

消えた200億円と暗号資産の闇
カナダ 青年CEOの“死”の波紋

(2021年・加Dimestore Productions)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

仮想通貨の怪しい一面が明るみに出た

『消えた200億円と暗号資産の闇』(ドキュメンタリー)_b0189364_10522481.jpg カナダで新種の仮想通貨(クアドリガCX)を生み出し、仮想通貨取引所を開設していた男が、その後、インドで急死した。この仮想通貨には、10万人以上の顧客が金を注ぎ込んでおり、総資産200億円以上と言われているが、すべてのデータがこの男のコンピュータの中に入っていたために、この男の死去とともに、その資産が一切引き出せなくなってしまった。結果的に顧客は、注ぎ込んだ金を引き出せなくなってしまったのである。
 この男、ジェラルド・コットンという若者だが、一攫千金を夢見るような人間らしく、この仮想通貨についても怪しげな人脈を活用して創設したもので、周辺にはどこか怪しさが漂う。しかも今回の死去もあまりに唐突だった上、この仮想通貨の運用自体にも少し問題を抱えていた時期だったために、この死去が狂言、つまり大がかりな詐欺なのではないかという噂は当然出てくる。実際、この仮想通貨に資金を注ぎ込んでいた顧客は、その金を一夜にして失うことになったわけで、当然「金返せ」の大合唱になる。コットンが身を隠すために「死去説」をばらまいたと見られるのも当然である。だが真相はいまだにわからないままで、大量の資産も眠ったままになっている……というのがこのドキュメンタリーの主旨である。
 そもそも仮想通貨自体がいまだに怪しい存在であり、こういった事件が起こるのも、ある意味、想定内と言えなくもない。本当のところ、仮想通貨にこのような危うさがあることはもっと広報されるべきであり、このニュースについても、日本のマスコミはもっと大々的に報道するべきではないかと思う。現在のように、カナダ発のドキュメンタリー以外では取り上げられないということになると、第2・第3のクアドリガが登場してさらに多くの被害者を生み出すことだって考えられる。放送などのメディアは、こういった事実に真摯に向き合った方が良いのではないかと思うが如何。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『こんなメールが来た』
竹林軒出張所『カネはモスクワへ消えた(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『追跡“ペガサス”(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『CYBER SHOCK 狙われる日本の機密情報(ドキュメンタリー)』
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by chikurinken | 2022-06-01 10:52 | ドキュメンタリー
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