空に聞く(2020年・愛知県美術館)
監督:小森はるか
撮影:小森はるか、福原悠介
出演:阿部裕美(ドキュメンタリー)
これだけの素材で映画として成立するのか
東日本大震災の被害を受けた岩手県の陸前高田市で、2011年から市民向けFM放送「陸前高田災害FM」のパーソナリティを務めた阿部裕美さんという人を取り上げたドキュメンタリー。
放送でパーソナリティを務めている様子や取材の様子が捉えられているが、映像の(おそらく)半分以上は、インタビューというか阿部さんの話を聞くシーンである。そのため、映像がダラダラ続くという印象は拭えず、正直見続けるのがつらい。
監督の小森はるかは、震災からの復興をテーマにした映画をたびたび撮っているが、似たようなテイストのものが多いようで、決して悪くはないが、映画として見るとかなり退屈する(僕はどれも一部しか見ていないのであくまで印象である)。映画作成の動機については共感するが、映像としてはかなり物足りなさを感じる。今回、FM放送のパーソナリティが題材ということだったので少し関心を持って最後まで見てみたが、映像としての時間の流れが遅く、見ていてかなり飽きてくる。正直、これだけの素材で映画として成立させようというのはいかがなものかと感じる。
★★★参考:
竹林軒出張所『時は立ちどまらない(ドラマ)』竹林軒出張所『若きビジネスマンが挑んだ農業再生550日(ドキュメンタリー)』