ワクチンよりも大切なこと
本間真二郎著
講談社ビーシー
お説ごもっともだが
目新しさはあまりない
元ウイルス学者、現在は診療所の所長をしている著者による、コロナ禍に関する本。
第1章から第3章までで、コロナ禍に関する分析などが行われ、第4章で、自然な生活を送ることの意義が説かれる。新型コロナワクチンの問題性については第2章で語られている。
第1章から第3章までは、コロナ禍の問題点が要領よくまとめられており、紹介される図も適切である。内容としては、近藤誠の
『新型コロナとワクチンのひみつ』にかなり似ており、あちらを読んでいればあまり読む必要はないと思わせるものである。ただ図がわかりやすく、まとめ方がうまいため、そういう点でのメリットはある。
おそらく著者が一番主張したかったのが第4章だと思うが、ストレスのない生活を送り、自然素材の食べ物を食べることで、自身の身体を適正な状態に保つことの重要性を説いている。腸内細菌の大切さについても強調され、人の身体が、数多くの微生物で構成されていることから、過剰な消毒はむしろ害であるとする。そういう点で、消毒に重きを置く現在のコロナ政策に問題があることを指摘している。
著者の主張は、ワクチン接種や薬、ソーシャルディスタンスなどといった外部要因(著者はこれを「他者軸の対策」と呼ぶ)に依存するのではなく、自分自身の身体を健康に維持すること(著者はこれを「自己軸の対策」と呼ぶ)こそが、感染症対策としてもっとも有効であり、そのためには自然で健康的な生活を送らなければならないといういうものである。お説ごもっともで100%賛同するが、こういった主張自体にはさほど目新しさを感じない。序盤は、他の本で語られていることの集まりで、後半も割合あちこちで聞く話……ということで、抵抗はまったくないが、新たに得るような部分もあまりなかった。ただ、コロナ禍の問題を分析した本としては、よくできておりそれなりにまとまっているため、こういった論に触れる最初の本としては非常に有効であると思う。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『新型コロナとワクチンのひみつ(本)』竹林軒出張所『新型コロナワクチン 副作用が出る人、出ない人(本)』竹林軒出張所『大丈夫か、新型ワクチン(本)』竹林軒出張所『ワクチン副作用の恐怖(本)』竹林軒出張所『あなたの中のミクロの世界 (1)(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『あなたの中のミクロの世界 (2)(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『あなたの体は9割が細菌(本)』竹林軒出張所『腸内フローラ(ドキュメンタリー)』竹林軒出張所『新型コロナ考……または統計の読み方』