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竹林軒出張所

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『コロナパンデミックは、本当か?』(本)

コロナパンデミックは、本当か?
コロナ騒動の真相を探る

スチャリット・バクディ、カリーナ・ライス著、鄭基成訳、大橋眞監修
日曜社

新型コロナ禍を
人権侵害という観点から告発する


『コロナパンデミックは、本当か?』(本)_b0189364_08474844.jpg ドイツの感染症・疫病学者と細胞生物学者が書いた本。コロナ禍の問題性と言論封殺の問題性を告発する。
 本書はドイツで2020年6月に出版されたもので、したがって、当時までの状況を振り返った上での論になる。2020年初頭に新型コロナウイルスが武漢で発見され、それが急速に世界中に広がり、ヨーロッパでも、特にイタリアとスペインでかなりの死者が出たためにパニックになって、各国でロックダウンが行われた。ドイツでも事情は同じで、ロックダウンについては人権を犯すものであるため、専門家をはじめかなりの異論があったようだが、強行された。その後、反対意見は基本的に封殺されることになり、世論が一方向、つまり行動の自由と言論の自由に制限を設けるという方向に誘導される結果になった。このあたりの事情は、日本でも同じで、ほぼどの国でも似たような状況である。
 このような強権的で危険な政策が、さして検討もされず実行されたことが危険であり、同時に新型コロナウイルスがそれほど危険かどうかの検証もほとんど行われていないという点を本書では問題にしている。結論を言えば、新型コロナウイルス(COVID-19)は、おそらく新型のウイルスではなく、従来から存在していたウイルスをPCR検査で拾っているに過ぎず、したがって、これまで毎年行われてきた(かぜやインフルエンザ)対策以上のものは必要ないということ。世界的に急に広がったのは、元々世界中にあったからで、新しいものが急速に拡大したのではない。イタリア北部で死者が大量に出たのは、イタリアが経費削減のために元々医療が崩壊の危機に瀕しており、しかも高齢化率が非常に高かったため、死者が結果的に多くなったに過ぎないという結論を出している。当初報告された死亡率の高さも、検査の母数が少なかったからで統計上の数字に過ぎず、そもそも国によって死亡率が著しく異なる感染症など、本来であればあり得ないという。
 僕自身は、当初ヨーロッパの一部の国で死亡率が高いことを不思議に思っていたが、これについてはある程度納得がいった。実際、現在の統計を見るとほとんどの国で1%を下回っている。
 本書の論調は、今回の新型コロナ騒ぎがすべて虚飾に満ちていて、世界中が真実からほど遠いところで動いているというものである。ありもしない病原菌をまやかしの検査で検出し、死を待っているような高齢者を犠牲者としてカウントするということが行われているというのだ。しかもそれについて検証すべきマスコミも、検証作業を怠るどころか、国やWHOの発表を鵜呑みにして、国民に犠牲を強いている。そしてそれによって、本来死なないで良い人々も、ロックダウンという政策のせいで犠牲になっていて(自死など)、結局こっちの犠牲者の方が多くなっているという逆説的な現象が現れている。その上、安全性がまったく検証されていない「ワクチン」が大勢の人々に接種され、一種の人体実験が行われている(本書執筆時は数千人だった)。しかも、そういった事情に異を唱える言論は、マスコミから封殺されているという現状がある。本書でもっとも問題視されているのは、人権を犯す政策が、このように簡単に施行されてしまったことで、それに対する反対の声が表に出されなかったことで、それはドイツ人にとって、あの忌まわしい歴史を思い出させるものだったに違いない。我々日本人にとっても同様だが。
 以下は、本書からの引用である(本書228〜230ページ)。

 かつて、批判的で自由なジャーナリズムが破壊され、メディアが国家の手先にされたことがあった。あれから、かれこれ90年ほどが過ぎ去った。
 我々が、あの暗い時代から学んだことが一つあるとすれば、それは次のようなことだろう。すなわち、我々はもう二度と、無関心を装い目を背けてはいけない。我々の政府が民主主義に基づく基本的人権を捨て去ろうとする時は、なおさらのことだ。今回の騒ぎでは、単なる普通のウイルスが訪れたに過ぎないのに、我々が経験したことは、
・メディアに煽られた集団ヒステリー
・恣意的な政治的決定
・基本的人権の大幅な制限
・言論・意見表明の検閲
・メディア統制
・異論を表明する者への誹謗中傷
・密告
 これらを経験して、ある一人の独裁者を思い出さない人間は、きっと歴史の授業で居眠りをしていたに違いない。我々の中には深い憂慮と不安が残ったままだ。それは、物事があまりにも早く行われたからであり、また、これほど多くの知識人や教育のある人々がたった3カ月という短期間に、世界のエリートの要求と命令に対してレミングのように服従してしまったからである。


 本書は、全体的な主張はもちろん賛同できるものだが、記述が断片的で、エッセイのようなたたずまいであり、とりとめがない印象がある。また、翻訳についても誤訳と思われる箇所がある上、誤植もかなり多い。コロナ関連の本は、デキの悪いものが多いが、これも言論封殺の影響と考えられなくもない。つまり出版経験が豊富な大手出版社がなかなか手を付けない分野であるためだ。それでも書籍という形で出ているだけ、新聞やテレビよりもずっとマシである。改めて読書の大切さを思い知らされるというものだ。なお、「監修者による補足」の項は、『PCRは、RNAウイルスの検査に使ってはならない』の大橋眞が書いている。こちらはまとまりがあって、わかりやすかった。本書の中では一番よくできていた部分だと感じる。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『計画された!コロナパンデミック(本)』
竹林軒出張所『ワクチン幻想の危機(本)』
竹林軒出張所『PCRは、RNAウイルスの検査に使ってはならない(本)』
竹林軒出張所『新型コロナとPCR検査の真相(本)』
竹林軒出張所『コロナ自粛の大罪(本)』
竹林軒出張所『コロナ禍の9割は情報災害(本)』
竹林軒出張所『イベルメクチン(本)』
竹林軒出張所『新型コロナとワクチンのひみつ(本)』
竹林軒出張所『新型コロナワクチン 副作用が出る人、出ない人(本)』
竹林軒出張所『大丈夫か、新型ワクチン(本)』
竹林軒出張所『ワクチン副作用の恐怖(本)』
竹林軒出張所『新型コロナワクチン 誰も言えなかった真実(本)』
竹林軒出張所『ワクチン神話捏造の歴史(本)』
竹林軒出張所『新型コロナ考……または統計の読み方』

by chikurinken | 2022-02-25 07:47 |
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