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竹林軒出張所

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『新型コロナとPCR検査の真相』(本)

新型コロナとPCR検査の真相
大橋眞著
知玄舎

内容についてはともかく
本の体裁としては最低レベル


『新型コロナとPCR検査の真相』(本)_b0189364_08511930.jpg 『PCRは、RNAウイルスの検査に使ってはならない』の大橋眞の著書。あの本が、内容はともかく、本としてのレベルが低いため、とても買う気にならず、もうちょっとマシな本がないかと思い、この本を入手した次第。この本はアマゾンの独占販売であるため、当然図書館にはなく、購入することになった。
 内容は講演が元になっているようで、最初の章が(おそらく)講演をそのまま収録したもの、その次の章が質疑応答(講演会で行われたものの再録ではないかと思う)、最後の章が15編のコラムという構成。手に取ってびっくりしたのは、図版が、オールカラーで豪華ではあるが、多くが(おそらく著者による)手描きのものになっている点で、その絵がまた汚いったらない。もしかしたら講演時に使ったプレゼンの資料なのかも知れないが、本作りの安直さを感じざるを得ない。それから誤植も『PCRは、RNAウイルスの……』と同じくらい多いと来ている。本としては、先の本と同様、最低レベルの作りで、この本については「素人が作った、講演をまとめたパンフレット」と考えなければならない。オールカラーで金がかかっているようで、利潤目的という感じでもないが、それならそれで最初から「講演録」であることを謳ってほしかったと思う。
 内容自体は、『PCRは、RNAウイルスの……』と同等のことが書かれているが、途中、ビル・ゲイツの名前が出てきたり、陰謀論めいた議論が出てきたりして、途端に白けてしまう。こちらは、科学的アプローチを期待しているわけで、ばかばかしい陰謀論は他の素人に任せておけば良い。
 そもそも著者は、現在のコロナ騒ぎが、科学的な見地から行くとデタラメであることを主張しているわけで、それに説得力があるため、僕は興味を持ったわけである。それはつまり、新型コロナウイルスが分離されていないこと、したがって遺伝子配列がわかるわけがないこと、現在PCR検査のプライマーとして公開されている遺伝子配列は中国の研究者が発表したもので実際は正体がわかっていないこと、そもそもPCR検査自体、RNAウイルスの特定に不向きで、現在のような検査体制は異物が混入しやすく、信頼性が著しく低いことなどの主張に落ち着くわけである。この主張についても、PCR検査の部分は、確かにその通りであるようだが、新型コロナウイルスが分離されていないという情報は、僕自身確認できていない(ただし、「ウイルスの分離はそもそも困難で非常に時間がかかるため、数カ月という短時間では無理」とする議論には説得力があるので、信憑性に足るとは思うが)。そのため、発表されている遺伝子配列が偽物とする説はとりあえず保留という感じなので、そのあたりを集中的に論じてほしかったわけだ。くだらない陰謀論なんか持ち出さないでほしいわけである。
 本書で新しい議論といえば、今回のRNAワクチンに使われているLNP(リボナノパーティクル)という脂肪の危険性の部分だが、これも100%解明されているわけではないので、保留ではあるが、身体に悪いものである可能性は十分ある。言ってみれば、今回のワクチン接種が人体実験になったわけで、今後の推移を見守りたいところである。ただし、この手の人体実験は、従来は倫理的な観点から行い得なかったわけで、それを「特効薬」であるかのように称して、広域に展開したというその犯罪性は指摘しておかなければならない。
 この本は、素人が作った本で作りが悪く、市販の本としては決して称賛できるものではないし、おそらく20年前であれば流通に乗るようなこともなかったと思うが、内容は一読に値する部分も多い。そのあたりはジレンマである。僕は買ってしまったが、決して他人に購入をお勧めするような類の本ではないということを最後に付け加えておく。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ワクチン幻想の危機(本)』
竹林軒出張所『PCRは、RNAウイルスの検査に使ってはならない(本)』
竹林軒出張所『コロナパンデミックは、本当か?(本)』
竹林軒出張所『計画された!コロナパンデミック(本)』
竹林軒出張所『京大 おどろきのウイルス学講義(本)』
竹林軒出張所『コロナワクチン失敗の本質(本)』
竹林軒出張所『コロナ自粛の大罪(本)』
竹林軒出張所『コロナ禍の9割は情報災害(本)』
竹林軒出張所『新型コロナとワクチンのひみつ(本)』
竹林軒出張所『新型コロナワクチン 副作用が出る人、出ない人(本)』
竹林軒出張所『大丈夫か、新型ワクチン(本)』
竹林軒出張所『イベルメクチン(本)』
竹林軒出張所『新型コロナ考……または統計の読み方』

by chikurinken | 2022-02-23 07:51 |
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