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竹林軒出張所

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『イベルメクチン』(本)

イベルメクチン
新型コロナ治療の救世主になり得るのか

大村智編・著
河出新書

「新型コロナ特効薬としての」
イベルメクチンの立ち位置がよくわかる


『イベルメクチン』(本)_b0189364_11083274.jpg イベルメクチンという薬があって、一部で新型コロナ疾患によく効くと言われている。特に現場で治療に当たっている医師が実際に処方して実感を得ているというケースが多い。『コロナ自粛の大罪』に登場していた医師の長尾和宏氏も、自身の病院で新型コロナ患者にイベルメクチンを投与し、ほぼ100%効果があったと語っていた。一方で、WHOをはじめとする世界中の医療機関および行政府が「新型コロナの治療法としてイベルメクチンに効果がないどころか危険性がある」という見解をとっている。どちらが正しいのか自分の頭で考えるために、まずその根拠を知る必要がある。というわけで、本書に当たった。
 本書は、イベルメクチンを開発(のちにその功績によりノーベル生理学・医学賞を受賞)した大村智が、イベルメクチンの性質について紹介(第1章)し、その後の章では、大村氏をはじめとする医師、研究者たちにより、イベルメクチンと新型コロナ疾患との関係(第2章)、新型コロナ治療にイベルメクチンを使用することに対する賛否と医療機関(WHO、FDA、NIHなど)や行政府による圧力(第3章)、さらには作用機序(第4章)まで紹介されており、イベルメクチンと新型コロナとの関係を俯瞰できるようになっている。どの章も真摯かつ丁寧に書かれており、大変好感が持てる。大村氏の第1章についても、やや専門的で難しい内容であるが、わかるようによくかみ砕いて説明されているため、理解はできる。
 本書の内容をまとめると、イベルメクチンは新型コロナに対してかなり有効であるが、大規模な疫学調査が行われていないため、医療機関や行政府、否定派は、出されている統計が信用できないとしている。ただし、世界各国で実施された小規模な統計(論文で発表されたもの)の中から、信頼できるものだけを集計して統計化したものからは、有意に効果があるという発表もある。FLCCC(米国の医師が組織する「新型コロナ救命治療最前線同盟」)やBIRD(英国イベルメクチン水晶開発)グループなどは、イベルメクチンを新型コロナ特効薬として推奨しており、WHO、FDA、NIHなどにも働きかけているが、拒否されているというのが現状であるという。
 大規模な疫学調査が行われていないのは、イベルメクチンが安価な薬品で(すでにジェネリック薬品として販売されている)、大手の製薬会社が関与しようとしないからで、大手の製薬会社が莫大な資金を背景にして進んで研究活動をやらなければ、現状では大規模な実験ができないためであるという。また、医療機関と行政府が執拗に反対しているのは、イベルメクチンの普及が、その背後にいる大手の製薬会社の利益に反するからであるとする。実際、今回のコロナ騒動で、大手の製薬会社が(効いているのかどうだかわからない、しかも安全性が担保されていない)ワクチンで大儲けしたのは事実である。第一、イベルメクチンは、確かにこれまで寄生虫駆除の薬品として使われてきたわけだが(一部で「寄生虫駆除」剤を感染症に使うなという声があるが、現在解熱剤として使われている薬が元々腸チフスの薬、というようなことは非常に多い。こういった「リパーパス薬」は、現在ごく一般的である)、すでに数十億人単位が服用しており、新型コロナ・ワクチンよりはるかに安全な気がするし、安全かつ安価であるならば、効き目がどの程度あるかに関係なく服用を認めるのが筋ではないかと思うが(プラセボ効果が期待できるし)、それを医療機関がやっていない現状はやはり少し怪しい。
 一方で、ワクチンが高価なため、それを調達できなかった途上国(ポルトガルや中南米の国々、それからインドの多くの州)で、代替手段の新型コロナ対策としてイベルメクチンを各家庭に配付したところ、新型コロナの患者が劇的に減ったというような記述も本書にはあって、これについては未確認だが、非常に興味深い「疫学調査」と言えるんじゃないかと思う。
 そういうことを総合すると、新型コロナ対策として一家に一箱イベルメクチンを備えるのもありではないかというのが僕の実感である。ネットで調べてみたら、イベルメクチン製剤は、20錠で1万円以下というレベルであり、常備薬として手元に置いておくこともできる。ワクチンの効果やイベルメクチンの効果については、一部の「常識人」とマスコミが、かなり偏った(と僕には思える)一方的な見解をあちこちで垂れ流しているが、最終的な判断は我々自身がすれば良い。少し引いた醒めた視点で見れば、何が正しいかは自ずとわかるものである。
★★★★

参考:
竹林軒出張所『コロナ自粛の大罪(本)』
竹林軒出張所『コロナ禍の9割は情報災害(本)』
竹林軒出張所『コロナパンデミックは、本当か?(本)』
竹林軒出張所『大丈夫か、新型ワクチン(本)』
竹林軒出張所『新型コロナワクチン 副作用が出る人、出ない人(本)』
竹林軒出張所『新型コロナとワクチンのひみつ(本)』
竹林軒出張所『PCRは、RNAウイルスの検査に使ってはならない(本)』
竹林軒出張所『新型コロナとPCR検査の真相(本)』
竹林軒出張所『新型コロナ考……または統計の読み方』

by chikurinken | 2022-02-07 07:08 |
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