『鎌倉殿の13人』(1)（ドラマ）

鎌倉殿の13人 (1)（2022年・NHK）
脚本：三谷幸喜
演出：吉田照幸
出演：小栗旬、坂東彌十郎、小池栄子、片岡愛之助、宮澤エマ、大泉洋、松平健

目新しさはさほどない

　今年のNHK大河ドラマ。
　鎌倉幕府草創期が扱われるということで、目新しさはさほどない。この時代はかつて『草燃える』でも扱われていて、あのドラマ自体それなりにできが良かったため「何を今さら」感は拭えない。もっとも大河ドラマ自体、マンネリ感を拭えないわけだが。個人的には、『紅白』や『朝ドラ』ともどももうそろそろやめ時ではないかと思っている。
　脚本は三谷幸喜で、三谷作の『王様のレストラン』でも鎌倉武士の名前を文字ってキャラクターの名前にしていたくらいだから、鎌倉幕府には元々関心があったのではないかと推察される。もしかしたら三谷側からの企画かも知れない。
　第1回はそれなりの始まり方をしたが、取り立てて目を瞠るような部分もなく、1時間見続けるのが少々苦痛だった。キャスティングでは、『草燃える』で北条義時を演じていた松平健がこのドラマで平清盛を演じている当たりが見所と言えるか。このあたりは三谷らしい遊びの要素である（誰がキャスティングしたのかは知らないが）。
　なお、このドラマで主人公の北条義時を演じるのは小栗旬だが、義時を演じているというより小栗旬のままで、小栗旬はどのドラマで見ても同じようなキャラばかりに映る。『日本沈没』の天海と同じ人間にしか見えない。
　キャラクターとしては、北条時政の坂東彌十郎と北条宗時の片岡愛之助がそれなりに面白い味を出している。第1回では、三浦義村、和田義盛、畠山重忠あたりが登場したので、これから主要な登場人物が少しずつ出てくるんじゃないかと思う。和田義盛と畠山重忠は、それぞれ豪放磊落、実直という一般的な認識に近いキャラクターになっていた。ただ正直、今のところドラマ自体にはあまり面白味を感じない。今後は、歴史の勉強のつもりで見るかも知れないが、それ以上の興味は湧かないというのが現時点での感想である。
★★★

参考：
竹林軒出張所『鎌倉殿の13人 (2)〜(48)（ドラマ）』
竹林軒出張所『草燃える 総集編（ドラマ）』
竹林軒出張所『源頼朝像 沈黙の肖像画（本）』
竹林軒出張所『王様のレストラン（ドラマ）』
竹林軒出張所『風雲児たち 蘭学革命篇（ドラマ）』
竹林軒出張所『平清盛 総集編（ドラマ）』
竹林軒出張所『吾妻鏡(上)(中)(下)（本）』
竹林軒出張所『平家物語(上)(中)(下)（本）』
竹林軒出張所『炎立つ 総集編 (1)（ドラマ）』
竹林軒出張所『日本沈没 –希望のひと– (1)〜(5)（ドラマ）』