コロナのウソとワクチンの真実
近藤誠、和田秀樹著
ビジネス社
著者二人の人間性が出ていて面白いが
コロナ禍本としては不合格
『新型コロナとワクチンのひみつ』、
『新型コロナワクチン 副作用が出る人、出ない人』に続く近藤誠のコロナ禍に関する本。本書は、
『コロナ自粛の大罪』にも出ている医師の和田秀樹との対談で、前2著に比べると完成度が低い上、内容もわかりにくい。前の2著のいずれかを読んでいればこの本は不要である。最新刊ということで僕はすぐに飛びついて買ってしまったが、大いに後悔しているところである。
対談をそのまま本にするというのは、僕に言わせれば安直きわまりない企画であり、本書はそのためもあってウイルス感染やワクチンの弊害などの説明がきわめてわかりにくくなってしまった。医師同士の話ということもあるんだろうが、こういう部分は適宜補足していくなり、リライトしてわかりやすくするなり工夫しなければ、読みづらくなるのは当然である。録音音声からそのままテープ起こしして終わりにするという状態だったかどうかわからないが、ただ説明がきわめてわかりにくいのは確かである。こんな安直な本を作ってしまう出版社の姿勢には疑問を感じるところで、ビジネス社には「安直な本を作るな」と言いたい。せっかく『新型コロナとワクチンのひみつ』が良かったのに台無しである。
ただ対談だけに逆に面白い箇所があって、二人が病気自慢をするくだりはなかなか楽しめた。近藤誠が「逆流性食道炎」になり胸にジリジリするような痛みがあったとき、歩く際に胃液が食道まで上がってこないようにすり足で歩いていたなどの話は、医者も一般人と似たような行動をとるというのがわかって微笑ましかった。
「とにかくこの間、内視鏡検査とかいっさい受けていない。医者に行っても、内視鏡検査をされたうえに「逆流性食道炎がありますね」とか、しょうもないことしか言わないだろうと思って。」などという記述も笑える。
一方の和田秀樹も糖尿病を長く患っているらしく、「医者の不養生」っていうのはあてはまるんだなと妙に感心した次第。同時に、近藤誠も和田秀樹も、このインタビュー本からは非常に気さくそうに映るが、それがわかるという意味ではこの本にもそれなりの魅力はあったわけだ。ましかし、コロナ禍についての本としては、かなり物足りないのは事実である。
★★★参考:
竹林軒出張所『新型コロナとワクチンのひみつ(本)』竹林軒出張所『新型コロナワクチン 副作用が出る人、出ない人(本)』竹林軒出張所『「副作用死」ゼロの真実(本)』竹林軒出張所『コロナ自粛の大罪(本)』竹林軒出張所『近藤誠の本、5冊』竹林軒出張所『成人病の真実(本)』竹林軒出張所『健康診断は受けてはいけない(本)』竹林軒出張所『ワクチン副作用の恐怖(本)』竹林軒出張所『医原病(本)』竹林軒出張所『このクスリがボケを生む!(本)』竹林軒出張所『がん放置療法のすすめ(本)』竹林軒出張所『これでもがん治療を続けますか(本)』竹林軒出張所『日本は世界一の「医療被曝」大国(本)』竹林軒出張所『「健康不安」に殺されるな(本)』