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竹林軒出張所

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『わたしの“奥駈道”をゆく』(ドキュメンタリー)

わたしの“奥駈道”をゆく 山伏修行の5日間
(2017年・NHK)
NHK-BS1 BS1スペシャル

「グレートレースもの」みたいな演出

『わたしの“奥駈道”をゆく』(ドキュメンタリー)_b0189364_23402428.jpg 奈良県から和歌山県にかけて大峯奥駈道という山道がある。元々、役行者(えんのぎょうじゃ)がここで修行を行い、修験道を開いたとも言われるルートで、世界遺産にもなっており、今やこの道を行くツアーも組まれているという。この奥駈道で、山伏の先達たちが先導する修行ツアーがかなり以前からあり、NHKでも以前その様子が特集番組で伝えられていた。崖の下に半身を曝されて、先達から「しっかり仕事するかー? 勉強するかー?」みたいなことを迫られるというシーンはなかなかインパクトがあり、僕自身は、参加したいという気はさらさらないが、かなり興味を惹かれていたのは事実。
 今回このドキュメンタリーで紹介されるのも、おそらくあれと同じツアーではないかと思う。参加者は一様に山伏の装束で、見る限りかなり本格的である。ここでは「ツアー」という言葉を使っているが、それすらも忍ばれるほど(本格的)である。行程は5日間だが、番組内では熊野古道が500kmみたいな表現をしていて、さも5日間で500km歩くかのような誤解を招く表現があったが、さすがに5日で500kmはあり得ない。5日間で100kmというところではないかと思う。それでも岩場の難所があちこちにあり、強烈なルートではある。
 このドキュメンタリーでは、数人の参加者に密着して、彼らの人生をあぶり出し、この修行で彼らが何を求めているかが照らし出される。焦点が当てられるのが、宮崎で牧畜業を営む地元の名士とその息子、僧侶になることを決意し京都聖護院で修行をしている18才の女性、傲慢な性格のために家族も社員も失ったという塗装会社の社長の3組。特に塗装会社の社長は、かなり面白い扱われ方をされており、しかも途中足を痛めて相当難儀していたことから、結果的にドラマチックな展開になっていった。これも、NHKお得意の「グレートレースもの」みたいな演出で、やはり参加者のドラマが鍵になるということか。それを考えると、このドキュメンタリーについては、なかなか良い登場人物を見つけたもんだと思う。
 なおこのドキュメンタリー、2017年に一度放送された番組の再放送ということで、再放送されたことを考えると、以前の放送が好評だったのかも知れない。人間ドラマだけでなく、映像に捉えられたダイナミックな吉野熊野の風景も大きな見所になっている。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『雲上の超人たち(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『激走! 富士山一周156キロ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『大草原を疾走せよ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『絶景アルプスを飛べ!(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『もうひとつのショパンコンクール(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『大峯千日回峰行 修験道の荒行(本)』
竹林軒出張所『行 比叡山 千日回峰(ドキュメンタリー)』

by chikurinken | 2021-04-02 07:40 | ドキュメンタリー
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