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竹林軒出張所

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『太平記』(28)〜(49)(ドラマ)

太平記 (28)〜(49)(1991年・NHK)
原作:吉川英治
脚本:池端俊策、他
演出:佐藤幹夫、他
出演:真田広之、高嶋政伸、柄本明、陣内孝則、武田鉄矢、根津甚八、沢口靖子、樋口可南子、宮沢りえ、大地康雄、片岡孝夫、原田美枝子、近藤正臣、後藤久美子、筒井道隆、片岡孝太郎、藤村志保、柳葉敏郎

すべての登場人物が
歴史の彼方に消えていった


『太平記』(28)〜(49)(ドラマ)_b0189364_23093517.jpg 『大河ドラマ 太平記』再放送の最終回が終わった。後半は、建武の新政から観応の擾乱に至るまでのもめ事が中心になり、一般には少しわかりにくい歴史背景になるが、それを非常にわかりやすく描いている。
 このドラマは、鎌倉時代末期の幕府内の得宗政治がどのように暴走し、どのように御家人たちに反感を抱かせたかもわかりやすく描かれているなど、全般的に鎌倉末期から室町初期に至る歴史の過程を見事に捉えていると言って良い。また登場人物の心情表現も巧みで、足利尊氏(真田広之)や楠木正成(武田鉄矢)、足利直義(高嶋政伸)、足方直冬(筒井道隆)なども、利害や他者との関係性を軸にその生き様が描かれている。そのため、連続ドラマとして考えても質が非常に高い。
 ただ、高師直(柄本明)が暴走していく過程の説明が少しもの足りない印象で、これは原作(『私本太平記』)によるものか『太平記』自身によるものかわからないが、これが後半部のほぼ唯一の不満な点である。
 キャストについてはどの俳優も見事で、足方直冬を演じた筒井道隆は、当初頼りない印象を与えていたが、複雑な境遇から少し歪んでしまった性格がそれなりにうまく出されていて、良い直冬と思えるようになった。ライバルの足利義詮は、後醍醐天皇役の片岡孝夫(現・十五代目片岡仁左衛門)の子息、片岡孝太郎が演じるという少し凝った配役だが、こちらもまずまず好演。北畠顕家を後藤久美子が演じるあたりが異色の配役だったが、魅力的な顕家にはなっていた。
 このように、さまざまな点で非常に優れたドラマに仕上がっており、やはり前にも書いたように、NHK大河ドラマの中でも出色の作品と言えるのではないだろうか。今回改めて再放送を見たが、まったく飽きることがなかった。前に見たときから記憶に残っていたシーンもあちこちにあったし、それを考えても非常に出来が良いドラマだったと言える。
★★★★

参考:
竹林軒出張所『太平記 (4)〜(27)(ドラマ)』
竹林軒出張所『太平記 (上)(中)(下)(本)』
竹林軒出張所『観応の擾乱(本)』
竹林軒出張所『源頼朝像 沈黙の肖像画(本)』
竹林軒出張所『風と雲と虹と 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『炎立つ 総集編 (1)(ドラマ)』
竹林軒出張所『草燃える 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『平清盛 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『花の生涯 (1)(ドラマ)』
竹林軒出張所『徳川慶喜 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『獅子の時代 総集編(ドラマ)』
竹林軒出張所『坂の上の雲 (1)〜(13)(ドラマ)』

by chikurinken | 2021-03-22 07:09 | ドラマ
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